SSブログ

私の巡礼の年(五島列島奈留島江上天主堂編)(長崎キリシタン世界遺産)【クロマダラソテツシジミなど】 [長崎県]

長崎県の海岸にいる「海のクロツバメ●ジミ」(略してクロ)を探しながら巡礼する旅の続きです。数年前に五島列島の真ん中に位置する奈留島にある江上天主堂まで行ってきました。江上天主堂とその周りの集落は、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の一つです。今回も福江島から定期船にレンタサイクルを乗せ、奈留島では江上天主堂のほか島内各地を自転車で巡りました。

01福江港から鬼岳.jpg

奈留島へは、福江港からフェリーに乗って出発です。

02奈留港が見えて来た.jpg

奈留島の奈留港に到着しました。奈留島ってどんな島だろう。ワクワクです。

03奈留島案内板.jpg

まずは案内版で行き先の確認です。奈留島にあるユーミンの「瞳を閉じて」の歌碑は、青春をユーミンの歌と共に過ごした世代としては、絶対に行かねばなりませぬ。目的は「遠いところにいる友達に(潮騒の音がもう一度届くように)海の碧さをもう一度伝えるために・・・」(歌詞の丸写し、ご勘弁。)

04江上天主堂まで7.6キロ.jpg

江上天主堂までは片道7.6キロ。なんてことはないと思いましたが・・あま〜い。

05奈留港ソテツ.jpg

奈留港の近くにソテツ並木がありました。

06奈留港クロマダラソテツシジミ静止.jpg

ソテツ並木にはすっかりおなじみのクロマダラソテツシジミがいました。

07奈留港クロマダラソテツシジミ開翅.jpg

クロマダラソテツシジミがメスをめぐって追いかけっこ。クロ○○とつきますが、目的のクロではありません。

08奈留港カバマダラ吸蜜.jpg

奈留港近くに咲いていたニラの花で、普段は南の島にいるカバマダラが飛んでいました。

09奈留港カバマダラ追尾.jpg

カバマダラもメスをめぐって追いかけっこ。カバマダラは、ニラの花がよく似合います。

10奈留港アカタテハ吸蜜.jpg

アカタテハもランタナの花で吸蜜していました。ランタナの花はチョウに大人気です。

11奈留港ベッコウバチ狩り.jpg

地べたにはベッコウバチが大きなクモの獲物を引っ張っていました。

12ユーミン瞳をとじて歌碑.jpg

レンタサイクルの「アカカメ号」に乗って、奈留高校にあるユーミンの「瞳を閉じて」の歌碑にとうちゃこ。この歌碑と関係ないことですが、お名前が「瞳」さん、曰く『「瞳を開けて」って死んでるってことじゃないの。』おっしゃるとおりです。閉じててよかった。

13奈留教会ルルド.jpg

現在、江上天主堂の見学をするには「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産インフォメーション」に事前連絡が必要ですが、訪問した当時は、奈留島の繁華街の外れにある奈留教会に江上天主堂の見学を申し込み、鍵を借りることになってました。さっそく奈留教会に見学の申し込みに行きました。教会の花壇は、信者の方が手入れをされているようで、キレイな花がたくさん咲いていました。写真は花壇の先にあるルルドです。

14奈留教会ルルドナツズイセン.jpg

ルルドにはナツズイセンが綺麗に咲いていました。

15奈留教会でアオスジアゲハ吸蜜.jpg

花壇に咲いているランタナの花にアオスジアゲハが吸蜜に訪れていました。奈留教会を背景にパチリ。

16奈留教会アオスジアゲハ吸蜜.jpg

動きのはやいアオスジアゲハもランタナの花で吸蜜に夢中です。

17奈留教会ナミアゲハ吸蜜.jpg

ナミハゲハも吸蜜に訪れていました。

18奈留教会カラスアゲハ吸蜜.jpg

カラスアゲハまで吸蜜に訪れていました。奈留教会の花壇でたくさんのチョウの写真を撮らせていただき、教会の方に感謝します。

19奈留島の漁港.jpg

奈留教会で江上天主堂の鍵を借り、レンタサイクルで江上天主堂を目指し奈留島の道を北上ました。途中の夏井漁港に到着です。

20奈留島豊かな海.jpg

夏井漁港の海に目をやると小魚がいっぱい泳いでました。奈留島はこの豊かな海の恵みで成り立っているようです。地元の方に魚の種類の名前を教えていただきましたが、頭の中の消しゴムがすべてを消し去ってしまいました。

21奈留島自然遊歩道入り口.jpg

奈留島の西海岸にある江上天主堂に行くには、ここから快適な自然遊歩道の山道を越えて、天主堂まで行けるのかと思いましたが、この自然遊歩道は、とんでもない道で人気が全くないらしく、たくさんの蜘蛛の巣に覆われ、歩くのがたいへんでした。

22奈留島自然遊歩道は蜘蛛の巣だらけ.jpg

蜘蛛の巣だらけの山道を自転車を押しながら、息をハア ハアして登りました。あとから分かったことですが、立派な車道のトンネルがこの下を通っていました。

23江上天主堂広場から.jpg

山道を下りて、海沿いの道を進むと世界文化遺産の構成資産、江上天主堂にとうちゃこ。江上天主堂は、国の重要文化財でもあります。

24江上天主堂正面.jpg

江上天主堂は、他にも数々の教会建築を手がけた鉄川与助棟梁が建てた教会の一つです。水色の窓とクリーム色の壁の配色が上品で、大正時代に建てられた建物とは思えないモダンさがあります。

26江上天主堂バラ窓.jpg

江上天主堂のバラ窓の飾りは、ステンドグラスの代わりに木製の水色のバラの花でした。

25江上天主堂手書きの窓ガラス.jpg

江上天主堂の窓ガラスは、高価なステンドグラスの代わりに、信者の方が手描きした黄色いバラの花が描かれていました。この手描きのバラ模様のことをNHKのドキュメント番組が「幸せの黄色いバラ」と紹介していました。

27奈留島江上集落.jpg

江上集落を海から眺めました。江上天主堂は、その当時の集落の信者の方がキビナゴ漁で稼いだ資金と信者の方の労働奉仕により建てたそうです。

28奈留島の海とアカカメくん.jpg

今回は出番が少ないですか、レンタサイクル「アカカメくん」を大串湾をバックに撮影しました。アカカメくんに乗って奈留島の大串湾の海沿いの道を南下しました。

29奈留島イシガケチョウ産卵.jpg

大串湾の海岸でイシガケチョウが産卵していました。

30奈留島ハマジンチョウ群落地説明板.jpg

奈留島はふつうは南の島で生えているハマジンチョウの北限になるそうです。ハマジンチョウは熱帯ではマンゴローブを形成する植物の一種のようです。

31奈留島ハマジンチョウ群落地.jpg

奈留島のハマジンチョウ群落地は南の島のマングローブ林とは異なった雰囲気です。この群落地は現在は国の天然記念物のようです。

32奈留島ユッカ蘭.jpg

ハマジンチョウ群落地にユッカ蘭が咲いていました。

33奈留島ビーチロック解説板.jpg

大串湾をさらに行くとビーチロックという天然のコンクリートの浜がありました。

34奈留島ビーチロック.jpg

ビーチロックを見たことも聞いたこともなかったのですが、この浜も天然記念物です。

35奈留島展望台から1.jpg

江上集落から同じ道を戻るのもなんですからと、西海岸の海沿いの道を南下しました。ところが、すぐにつづら折りのものすごい山道になり、またもやアカカメくんを押しながら息をハア ハアして登りました。こんなことなら前に来た道を行った方がよかったと後悔ばかり。「こころ旅」の火野正平さんなら「息をハア ハアしたいのなら夜の私の部屋で。」と冗談の一つも出ますが、とてもそんなこと・・。とうちゃこした小田河原展望台は奈留島と久賀島の海峡である「奈留瀬戸」が、よーく見えました。

36奈留島展望台から.jpg

展望台からは長い下り坂。「人生下り坂、最高!」今回も叫んでしまいました。

37奈留島漁港モンキアゲハ吸蜜.jpg

次に奈留港の南にある奈留千畳敷に向かいました。その途中にある漁港の岸辺には、たくさんのランタナが咲いていて、モンキアゲハが吸蜜に訪れていました。

38奈留千畳敷の道クロセセリ静止.jpg

奈留千畳敷に行く山道の峠付近にクロセセリがいました。

39奈留千畳敷の道ダンギク.jpg

同じ山道にダンギクが咲いていました。ダンギクは九州独特の植物ですが、この花を見ると九州に来ていることを実感します。今日で三度目の息をハア ハアしてアカカメくんと峠まで登りました。

40奈留島千畳敷全景.jpg

峠を越えたところで、奈留千畳敷の全容が見えて来ました。それにしても三度の峠越えを含め、自宅のパソコンで調べたところ、この日も走行距離は25キロを越えていました。

42奈留千畳敷と島.jpg

奈留千畳敷にとうちゃこです。岩場にはクロの幼虫の食草もありました。クロは何処に・・。

43奈留千畳敷アオスジアゲハ飛翔.jpg

奈留千畳敷の海浜植物の花にアオスジアゲハが吸蜜していました。クロは見当たらない・・。

41奈留千畳敷海から見た.jpg

奈留千畳敷でクロを探しましたが、影も形も・・。残念ながらタイムリミットです。そして本ブログをご覧の皆さまに奈留島の海の碧さを伝えることができたでしょうか。

44奈留ターミナル.jpg

福江島に戻るため、奈留港の奈留ターミナルに戻り、福江港行きの定期船に乗りこみました。奈留ターミナルの売店で、奈留島の来島記念に奈留高校の生徒さんがデザインした「瞳を閉じて〜ゲンキにナルナル、ナルシマTシャツ」を買いました。今でも現役で、とても丈夫で長持ちしています。

45奈留島さらば.jpg

奈留島。さらばでござる。また来るまで。
nice!(4)  コメント(2) 
共通テーマ:地域

私の巡礼の年(島原半島原城跡編)(長崎キリシタン世界遺産)【ヒメアカタテハ、ヤマトシジミ、ナミアゲハなど】 [長崎県]

長崎県の海岸にいる「海のクロツバメ●ジミ」(略してクロ)を探しながら島原半島まで来ました。
島原半島にある「原城跡」は「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産として、世界文化遺産に登録されました。
島原半島でクロを探す旅は「島原半島ジオパーク編」で報告させていただくことにしますが・・いつのことになるやら。

01天正遣欧少年使節.jpg

長崎の空の玄関口、長崎空港へ行く道は、海の中に続く長い橋を渡ることになります。その橋の袂に天正遣欧少年使節の4人の銅像が建っていました。4人の少年はいずれも島原半島にあった有馬セミナリヨ(キリスト教の神学校)の出身で、広い海を渡って、遠くヨーロッパで活躍した初めての日本人かも。

02口之津ポルトガルの宣教師.jpg

島原半島にある天然の良港、口之津港には、ここに南蛮船で入港した巡察師ヴァリニャーノ神父の胸像が建っていました。巡察師ヴァリニャーノは、有馬氏などキリシタン 大名の庇護のもと、キリスト教の布教を目的とした日本人宣教師を養成するため、島原半島にセミナリヨやコレジョを開校しました。そして有馬セミナリヨの学生から選ばれた4人の少年を遠くローマまで連れていきました。

03有馬セミナリヨ跡.jpg

有馬セミナリヨ跡に着きました。天正遣欧少年使節の少年たちがここで学んでいたと思うと感慨深いものがあります。目を閉じて耳をすませば、少年たちが歌う聖歌が天使の歌声のように聞こえてきました。

04有馬&安土セミナリヨ.jpg

昔、近江(滋賀県)にある安土城の城下町には、有馬セミナリヨと同じ神学校の安土セミナリヨが建っていました。現在、安土セミナリヨがあった跡は公園になっていて、解説板が立ってました。その解説板によると左上の施設が有馬セミナリヨ、左下が安土セミナリヨのようです。

05安土セミナリヨ跡.jpg

安土セミナリヨ跡の公園です。安土セミナリヨは、織田信長が本能寺の変で亡くなると暴徒の略奪等にあって破壊されてしまったようです。

06MOA美術館洋人奏楽図.jpg

熱海市にあるMOA美術館の至宝の一つに「洋人奏楽図屛風」(国重要文化財)があります。ものすごく美しい絵ですが、描かれている人物がなんか日本人っぽいです。それは桃山時代に日本で日本人が油絵具を使って描いたからだそうです。この絵が有馬や安土のセミナリヨで学んだ宣教師のたまごが描いて、このような綺麗な状態で残っていたとしたら、それだけで感激ものです。

07有馬セミナリヨヒメアカタテハ吸蜜.jpg

有馬セミナリヨへの道の脇にある畑で、ヒメアカタテハが吸蜜していました。

08有馬セミナリヨヤマトシジミ吸蜜.jpg

同じくヤマトシジミも吸蜜していました。

09加津佐セミナリヨ・コレジョ跡.jpg

南島原市の加津佐にもセミナリヨやコレジョの史跡があります。作家の司馬遼太郎さんも「街道をゆく」の中で、この史跡を探したように描かれていますが、私も探して、やっとさ、とうちゃこしました。加津佐コレジョには天正遣欧少年使節一行が持ち帰った活版印刷機が置かれ、西洋の印刷技術と絵画文化が日本もたらされたようです。

10日野江城の山.jpg

数年前、キリシタン大名有馬氏の居城「日野江城」跡にも行ってきました。日野江城は、今回の世界文化遺産の選から漏れましたが、キリシタン大名の有馬氏の栄華を物語る城です。有馬氏は4万石の小大名ですが、キリスト教の布教を引き換えに南蛮貿易で莫大な収益を得ていたようです。

11日野江城発掘調査現場.jpg

訪問した当時、日野江城は世界文化遺産の登録に向けて発掘調査の真っ最中で、調査をしている方から日野江城のことについて、いろいろと教えていただきました。ここからは豊臣秀吉と繋がりがある金箔が施された瓦が掘り出されているそうです。

12日野江城石垣.jpg

日野江城を築城するにあたって、石垣にはキリスト教布教のため破壊された仏教寺院の石灯籠などが使われていたようで、例えば真ん中にある六角形の石垣がそれのようです。

13日野江城墓石を使った石段発掘現場.jpg

本丸に向かう階段にも仏教寺院の五輪塔の石などが使われていたようです。右下第2列目の四角の石は、そのような痕跡(梵字)が石に刻まれていました。その後、この発掘現場は埋め戻され、今はこの階段を見ることができないようです。

14南島原有馬キリシタン遺産記念館内部.jpg

日野江城跡や原城跡で発掘されたものは、南島原市の有馬キリシタン遺産記念館で見ることができます。学芸員の方が詳しく解説してくれるのでオススメポイントです。

15キリシタン 記念館クロマダラソテツシジミ静止.jpg

有馬キリシタン遺産記念舘の前庭のソテツの木にいたのはクロマダラソテツシジミでした。もともとは南の島のチョウでしたが、この旅行中、普通に見ることができました。

16キリシタン 記念館ナミアゲハ吸蜜.jpg

有馬キリシタン遺産記念館からの帰り道。田んぼの畔に咲いていた曼珠沙華にナミアゲハが吸蜜に訪れていました。

17原城跡入口.jpg

いよいよ「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産「原城跡」に到着です。島原・天草一揆の出来事は長くなりますので、その筋の書籍やホームページ、ブログ等を参考にしていただければと思います。

19原城二の丸から本丸.jpg

原城の二の丸跡は畑に利用されていました。二の丸跡を横切る道からは有明海と本丸跡の石垣が見えました。原城は三方を海に囲まれ、本丸には高い石垣が築かれていたので、難攻不落の城だったようです。

20原城本丸.jpg

原城の二の丸跡から見た本丸跡です。江戸幕府は二度とこのような一揆が起きないよう原城を徹底的に破壊したそうですが、意外と石垣が残っているじゃん。

21ほねかみ地蔵.jpg

二の丸跡と本丸跡の境に石のお地蔵様が建っていました。島原・天草一揆で籠城した老若男女3万7千人はみな殺され、幕府軍も相当な死傷者が出たそうです。一揆の後、当地の僧侶や住民が戦闘で亡くなった人の遺体を敵味方の区別なく埋め、供養のためのお地蔵様を建てたそうです。お地蔵様は、ほねかみ地蔵というそうです。

22ヒガンバナナミアゲハ飛翔.jpg

ほねかみ地蔵の前にヒガンバナが咲いていました。その花にナミアゲハが訪れていました。

23モンキアゲハ飛翔.jpg

モンキアゲハも飛んでいました。

24原城本丸天草四郎の墓.jpg

本丸跡には一揆の指導者の天草四郎の墓がたっていました。島原・天草一揆の終結後、江戸幕府は徹底したキリシタン弾圧を行いました。そのためキリスト教信者は長崎県各地に潜伏して信仰するようになったそうです。

25原城本丸広場.jpg

本丸跡に植えられているジュウガツサクラの枝先にチラホラと花が咲いていました。

26原城から雲仙.jpg

本丸跡から二の丸跡ごしに今は静かになった雲仙岳が見えました。

28三人.jpg

本丸跡の外れに天草に向かって人の石像が立っていました。一人目は外国人宣教師、真ん中は天草四郎っぽい若武者、3人目は女性像のようでした。天草を故郷とする天草四郎。その哀愁を誘うような石像です。

29原城モンキアゲハ吸蜜.jpg

本丸跡の一画にキバナコスモスが咲いているお花畑があり、様々なチョウが吸蜜に訪れてました。モンキアゲハもその一つです。

30原城アカタテハ吸蜜.jpg

アカタテハも熱心に吸蜜していました。

31原城ナミアゲハ飛翔.jpg

青空をバックにナミアゲハの飛翔をパチリ。

32原城リュウキュウムラサキ吸蜜.jpg

南の島から飛んできたと思われるリュウキュウムラサキがキバナコスモスで吸蜜していました。

33原城リュウキュウムラサキ静止.jpg

「ようこそ。南の島から広い海をこえて島原まで飛んで来てくれました。」リュウキュウムラサキに語りかけました。
「はるか昔、ここから大きな海を渡って欧州まで行った少年たちがいることを忘れないで・・」リュウキュウムラサキも私に囁きかけてきたようでした。
nice!(2)  コメント(2) 
共通テーマ:地域

私の巡礼の年(五島列島久賀島旧五輪教会堂編)(長崎キリシタン世界遺産)【カラスアゲハ、モンキアゲハ、アカタテハ、クロマダラソテツシジミなど】 [長崎県]

長崎県の海岸にいる「海のクロツバメ●ジミ」(略してクロ)を探しながら巡礼の旅をしています。
そして、これまでの巡礼でお参りさせていただいた教会とその周りの集落は、2018年7月「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として、世界文化遺産に登録されました。おめでとうございます。
それにしても「私の巡礼の年」はいったいいつ終わるのだろうか。

01福江港を出航.jpg

NHKBS放送で放映している「こころ旅」が大好きで、いつも録画して見てます。その初回分の放送は、五島列島での楽しい出来事でした。私も五島列島で自転車旅行がしてみたい。
てなことで、数年前、長崎県の西の端に位置する五島列島に行ってきました。その五島列島の西から2番目に位置するのが久賀島です。久賀島へは、福江島の福江港から久賀島の田ノ浦港まで定期船に乗って行きました。定期船に福江島で借りたレンタルサイクルを載せて出航です。

02福江島全景.jpg

定期船から見た福江島。鬼岳(色が変わっている山)がよく見えました。

03久賀島浜脇教会.jpg

定期船から見た久賀島。浜脇教会が見えました。

04久賀島に到着.jpg

久賀島に到着しました。レンタルサイクル「アカスジカメムシ号」略して「アカカメくん」も一緒です。

05久賀島の地図.jpg

久賀島は馬蹄形の形をしています。その久賀島の西側にある田の上港から東側のある世界文化遺産の構成資産「旧五輪教会堂」までは、片道14キロ、往復28キロの道。アカカメくんに乗って出発しました。

06浜脇教会に向かって出発.jpg

田の浦港から浜脇教会がよく見えました。その背後にそびえ立つ山並みが、片道14キロの道のりをさらに困難なもののにしていました。がんばるぞ。

07浜脇教会に到着.jpg

浜脇教会に到着。鉄筋コンクリート構造で、ゴシック様式の尖塔が美しい教会です。

08浜脇教会のソテツ.jpg

教会の脇にあるソテツの木に小さなチョウが止まっていました。

09クロマダラソテツシジミ静止.jpg

名前も姿形も「クロ」に似ているクロマダラソテツシジミでした。

10浜脇教会と鷹柱.jpg

9月下旬の五島列島は、タカの仲間のハチクマが渡りをするため、ここにいったん集結するそうです。特に福江島の大瀬崎は有名ですが、その迫力ある渡りの様子は、また別の機会に・・。この日は朝から良い天気。浜脇教会の上空でもタカの仲間がたくさん集まっており、タカ柱を観ることが出来ました。ラッキー。

11久賀島の山と海1.jpg

やっぱり、浜脇教会から本格的な登り坂となりました。振り返ると下方に浜脇教会の尖塔が見えました。

12アオスジアゲハ吸水.jpg

登り坂の途中に壁から水が湧いているところがあり、その水をアオスジアゲハが吸っていました。

13ナミアゲハ吸水.jpg

同じところでナミアゲハも吸水していました。私も登り坂で喉がカラカラでした。ここで吸水タイム。

14久賀島の干潟の海.jpg

峠を越え、下り坂になると「人生下り坂、最高!」と叫んでしまいます。下り坂を降りた久賀湾の海岸は、干潟の海が広がっていました。

15牢屋の窄.jpg

潜伏キリシタンを襲った悲しみひとつ、牢屋の窄に到着しました。詳しいことは(本ブログは自然観察が中心なので・・)ぜひ、書籍やその筋のホームページ、ブログなどでご確認ください。
ここから目的の旧五輪教会堂までは、8キロ以上残っています。まだ半分も来ていません。

16牢屋の窄殉教記念教会.jpg

牢屋の窄殉教記念教会にお参りして、さあ、出発。

17車海老養殖場と棚田.jpg

道の途中、棚田が広がっているところがありましたが、すでに稲刈りが終わっていました。(9月下旬ですが。)海は車海老の養殖場が広がっていました。ここからは再度、山道を登ります。

18カラスアゲハ吸蜜.jpg

山道の道沿いに咲いていたクサギの花にカラスアゲハが吸蜜に訪れていました。

19久賀島東岸蕨集落.jpg

久賀島の棚田や集落の景観は、国の「五島市久賀島の文化的景観」に認定されています。蕨集落から道は東海岸を進みます。ここからの海岸線は断崖絶壁となり、道はさらに細くなります。この海岸線は西海国立公園の一部でもあります。

20モンキアゲハ交尾.jpg

海岸線の道沿いでモンキアゲハが愛し合っていました。

21奈留島が見える.jpg

久賀島東部の海岸線と五島列島の島々。鳥小島の先に隣にある奈留島がよく見えました。

22ルリシジミ産卵.jpg

ここからは、断崖の海岸線沿いの細い道となります。さっそく自然観察開始です。ルリシジミが産卵していました。

23ヒメアカタテハ静止.jpg

ヒメアカタテハが石の上に止まってました。

24アカテガニ.jpg

海岸近くの道にはアカテガニもいました。アカを探しているわけではありません

25ハギ.jpg

秋の七草の一つ。ハギの花。

26ブーゲンビリア.jpg

熱帯植物のブーゲンビリアも咲いていました。

27旧五輪教会堂歩道入口に到着.jpg

旧五輪教会堂への歩道入口に到着しました。ここからは歩いて行きますので、アカカメくんとはいったんお別れです。

28アコウの巨樹.jpg

歩道にはアコウの巨樹がありました。

29ショウキスイセン.jpg

ショウキスイセンとは思いますが、もしかしたら・・。違っていたらごめんなさい

30ジンジャー.jpg

ジンジャーの花も咲いていました。

31五輪の集落.jpg

久賀島五輪の集落にとうちゃこ。

32旧五輪教会堂に到着.jpg

旧五輪教会堂です。和風の家は一見、教会には見えません。でも「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を構成する世界文化遺産の施設です。

33旧五輪教会堂入口.jpg

入口には教会の印、十字架が掲げられていました。旧五輪教会堂は長崎の大浦天主堂に次いで建てられたそうで、国の重要文化財です。

34旧五輪教会堂の内部.jpg

旧五輪教会堂の内部です。現在、長崎県の世界文化遺産を構成する教会の内部の撮影は原則できません。しかし、ここを訪問した当時は、教会の行事が無ければ・・でしたので・・しました。

35旧五輪教会堂祭壇.jpg

旧五輪教会堂の祭壇です。

36旧五輪教会堂ステンドグラス.jpg

旧五輪教会堂のステンドグラス。ガラスに色セロファンを貼り付けた手作りだそうです。
「恋人よ」の歌手の五輪真弓さんのお父さんは五輪集落の出身だそうです。

37帰りましょう.jpg

帰り道はお尻の痛みに耐えながら、なんとか船の出航時間前に田の浦港に到着しました。
そして田の浦港に定期船が入港しました。

38さらば久賀島.jpg

予想はしていましたが、今回もクロの影は全くなしでした。それでも歴史を感じる素晴らしい巡礼旅行ができました。久賀島。また来るまで。

次回は、お隣の奈留島での、ここ●旅です。

旧五輪教会堂の内部写真を掲載させていただきましたが、ダメな場合はご連絡いただければ削除します。
nice!(2)  コメント(2) 
共通テーマ:地域

私の巡礼の年(外海編)(長崎キリシタン世界遺産)【カラスアゲハ、アオスジアゲハ、ルリシジミ、クロマダラソテツシジミ】 [長崎県]

長崎の海岸に生息するチョウの一種クロ●バメ●ジミ(クロと呼びます。)を探す旅の話しです。

01大浦天主堂.jpg

長崎市にある大浦天主堂。西洋建築物では数少ない日本の国宝で、来年はたぶん世界遺産です。今回は長崎市でクロを探す旅をしました。

02殉教した26聖人.jpg

大浦天主堂は長崎の地で殉教した日本二十六聖人のために建てられたそうです。殉教した丘には二十六聖人の殉教の碑が建っていました。

03平和祈念像.jpg

平和を願って「平和祈念像」にも行ってきました。

04外海のマンホール.jpg

長崎駅からバスに乗って外海(そとめ)の海岸に行き、クロを探す旅をしました。旧の外海町は長崎市と合併しましたので、今は貴重なマンホールの蓋です。

05外海で見られる昆虫.jpg

外海にある「長崎市外海子ども博物館」に外海地域にいるチョウが紹介されていました。その中にクロがいました。

06クロの食草.jpg

一部の海岸にはクロの食草がまばらに生えていました。クロに逢いたい。

07角力灘と池島.jpg

外海の海岸の向こうに角力灘が広がり、九州最後の炭坑跡が見学できる「池島」が浮かんでいました。(レンズの汚れが写ってしまいました。ご容赦願います。以下同様)

08大野教会の聖母.jpg

大野教会堂に到着しました。小さな教会ですが、個性的な姿は国の重要文化財で、世界遺産候補です。
角力灘の海を背景に聖母像が建っていました。

09教会のカラスアゲハ吸蜜.jpg

大野教会堂の庭に咲いていたヒガンバナにカラスアゲハが吸蜜に訪れていました。

10カラスアゲハ吸蜜.jpg

カラスアゲハはヒガンバナがお好きなようです。

11出津の歴史の道.jpg

次に大野教会堂の南にある出津(しつ)に行きました。出津にある歴史の道を出津教会堂に向かって進みました。

12ヤマトシジミ産卵.jpg

出津の歴史の道の石垣でヤマトシジミが産卵していました。

13クロマダラソテツシジミ静止.jpg

クロと名前も姿も紛らわしいクロマダラソテツシジミがいました。もともとは南洋のチョウですが、ここまで生息域を広げているようです。

14白百合.jpg

名残りのタカサゴユリが咲いていました。

15出津教会堂の聖母.jpg

出津教会堂の若々しい聖母様。出津教会堂とその関連施設も世界遺産の候補です。

16外海の海岸.jpg

外海の海岸でクロ探しをしました。

17外海の磯.jpg

磯に降りましたが、急に日が陰ってしまいチョウはいませんでした。

18外海の岩礁.jpg

違う場所の磯でもクロはいません。今回もクロに巡り逢うことはかないませんでした。

19アオスジアゲハ吸蜜.jpg

磯ではアオスジアゲハが吸蜜していました。

20ルリシジミ吸蜜.jpg

ルリシジミもいました。シジミチョウの仲間はなんでもクロに見えてしまいます。

21黒崎永田湿地自然公園.jpg

外海にある黒崎永田湿地自然公園でチョウ探し。止まらないキチョウの仲間がいましたが、写真はバスの乗車時間が迫っており、時間切れのためパスしました。

22海を渡るチョウ.jpg

海岸沿いの所々には海を渡るチョウが飛んでいました。

23沈黙の碑.jpg

遠藤周作の文学碑「沈黙の碑」が建てられていました。

24遠藤周作文学館.jpg

遠藤周作文学館が見晴らしのいい丘に立っていました。「狐狸庵先生。お懐かしい。」

25黒崎教会の聖母.jpg

黒崎教会は赤れんがで建てられていました。聖母様が出迎えてくれます。

26出島の教会.jpg

長崎の街に戻りました。夕暮れの出島に繰り出しました。

27中華街は中秋節.jpg

夜。長崎の中華街は中秋節を迎えていました。空は満月ではないけど、大きな月が浮かんでいました。

28中華街は中秋節2.jpg

満月に模した黄色いランタンが通りに灯り、とてもきれいでした。

29中秋節のお供え物.jpg

盛りだくさんの中秋の名月のお供え物。

30月の女神.jpg

月の女神アルテミスの化身オオミズアオ。月はいったん死でまた満ちる。
いつまでクロを探す巡礼の旅が続くのだろう。

※「大浦天主堂」長崎市、「外海の大野集落」長崎市及び「外海の出津集落」長崎市は2018年7月1日「長崎、天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成遺産として世界文化遺産に登録されました。※
nice!(5)  コメント(2) 
共通テーマ:地域

私の巡礼の年(佐世保・黒島編)(長崎キリシタン世界遺産)【カラスアゲハ、コミスジ、アカタテハ、ナミアゲハほか】 [長崎県]

9月の連休は昨年に引き続き、長崎でクロを探す巡礼の旅をしてきました。

01クロツバメシジミ吸蜜.jpg

このクロツバメシジミ(以下、クロ)は長野県産ですが、クロには山に生息するもの以外に海に生息するものもいるとのこと。海に生きるクロを探して前回は長崎県の北部を巡礼しましたが、今回は佐世保辺りをぶらぶら節(長崎ですから)してきました。

02佐世保港.jpg

弓張岳に到着。ここは迷蝶が出没するらしいのですが、残念ながらいませんでした。

03九十九島.jpg

九十九島がよく見える展望台もチョウの影はありませんでした。

04佐世保バーガー.jpg

お腹がすいたので、佐世保バーガーでランチしました。

05九十九島遊覧船.jpg

せっかくきたので、九十九島を巡る遊覧船に乗りました。

06南九十九島マップ.jpg

環境省の九十九島ビジターセンターに展示されているマップです。九十九島は西海国立公園に指定されています。

07ライオン島.jpg

九十九島の一つ、横島は別名ライオン島と呼ばれているそうです。

08九十九島の島巡り.jpg

狭い島と島の間をスリル満点に巡りますので、とても楽しい船旅です。

09九十九島の島.jpg

九十九島の多様な景観。

10九十九島の里海.jpg

豊かな里海の景色です。豊漁を願い恵比寿様がまつられていました。

11九十九島の動物.jpg

昆虫おじさんは九十九島で虫探し。

12ウミアメンボ.jpg

絶滅が心配されている海に生息するウミアメンボの一種、シオアメンボです。

13海きらら.jpg

水族館、海きららに入りました。水族館好きおじさんでもあります。

14カブトガニ.jpg

九十九島の海にはカブトガニが棲息しているそうです。

15クラゲの舞.jpg

海きららの売りの一つ、クラゲがきれいに展示されていました。

16下村教授.jpg

クラゲの発光物質でノーベル化学賞を受賞した下村教授は佐世保出身だそうです。

17コミスジ静止.jpg

九十九島の海岸には、海外ではセーラーといわれているコミスジがスイスイと飛んでいました。

18カラスアゲハ吸蜜クサギ.jpg

クサギの花にはカラスアゲハが吸蜜に訪れていました。

19アオスジアゲハ飛翔.jpg

夕暮れ近く、アオスジアゲハが上空を舞っていました。

20九十九島の夕暮れ.jpg

夕日がきれいな九十九島ですが、明日からのチョウ探しの巡礼に備えるため、今日の日はさようなら。

21佐世保の教会.jpg

佐世保の夜。駅近くの教会がライトアップされていました。

22フェリーくろしま.jpg

別の日、佐世保港の北にある相浦港から「フェリーくろしま」に乗って、九十九島最大の島、黒島に行ってきました。

23九十九島の景観.jpg

九十九島の多様な島の一つ。

24黒島天主堂正面.jpg

黒島天主堂に到着。管理人さんに断って素晴らしい天主堂を見学させていただきました。

25黒島天主堂の後部景観.jpg

黒島天主堂は国の重要文化財で「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」で、たぶん来年は世界遺産です。

26セセリ吸蜜キバナコスモス.jpg

天主堂近くにキバナコスモスや百日草のお花畑がありました。キバナコスモスでチャバネセセリが吸蜜していました。

27チャバネセセリ吸蜜キバナコスモス.jpg

別角度からパチリ。

28セセリ吸蜜アサガオ.jpg

アサガオの花でもイチモンジセセリが吸蜜していました。

29アカタテハ吸蜜.jpg

アカタテハは百日草で吸蜜。

30ナミアゲハ吸蜜.jpg

ナミアゲハも吸蜜。

31クロアゲハ吸蜜.jpg

クロアゲハも吸蜜。お目当てのクロは、クロアゲハのことではありません。

32さらば黒島.jpg

黒島からのフェリー最終便に乗り込みました。残念ながら黒島を含め佐世保周辺でクロを発見できませんでした。まだまだ巡礼の旅は続きそうです。
さて次はどこに行こう。

※「黒島の集落」は、2018年7月1日「長崎、天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成遺産として世界文化遺産に登録されました。※
nice!(4)  コメント(2) 
共通テーマ:地域

私の巡礼の年(輝く朝日に願う。)(小値賀島・野崎島編)(長崎キリシタン世界遺産)【アカタテハ、ヒメアカタテハ、ヤマトシジミ、シルビアシジミ】 [長崎県]

前回に引き続き、長崎県小値賀町での出来事です。

01島の夜明け.jpg

豊かな海から朝日が昇りました。今日はクロに会えるようにひろーい心でお願いしました。

02女王の墓の跡.jpg

朝飯前に小値賀町の歴史民族資料館で聞いた古い時代のお墓の跡を見に行きました。宝飾品も併せて出土したとのことなのですが、小さな島でも豊かな海洋国家ニッポンを感じました。

03小値賀島歴史民族資料館入口.jpg

前日は小値賀島歴史民俗資料館に行ってきました。学芸員の方から島に関するいろいろなことを聞きました。

04小値賀島歴史民族資料館庭園.jpg

この資料館も捕鯨で財を成した家を利用しているそうです。そのためお庭も立派です。

05人形の形の小値賀島.jpg

小値賀島は「人のかたち」をしているそうです。島の周囲は遠浅の海で魚がたくさん獲れるそうですが、今は昔ほど…残念ですが、よくある話し。

06赤浜海岸.jpg

クロを探しに島を巡りました。比較的平坦な島なので自転車でも回れます。代表的な海岸の砂はまっかか。赤浜海岸に着きました。

07アカタテハとヒメアカタテハ.jpg

海岸近くに咲いていたアワブキの花にアカタテハとヒメアカタテハがお尻を向け合って仲良く?吸蜜していました。

08アカタテハ吸蜜.jpg

赤浜海岸近くのアカタテハと

09ヒメアカタテハ吸蜜.jpg

ヒメアカタテハ。ヒメの方がちょこっと可愛い。

10小長崎鼻.jpg

海岸沿いを北上し、かつて溶岩だった長崎鼻の海岸に着きました。

11ダルマギク.jpg

牧場にはダルマギクが咲いていて、小さなチョウが吸蜜していました。待望のクロに出会えるか。

12ヤマトシジミ交尾.jpg

そこにはヤマトシジミが仲良くしていました。

13シルビアシジミ静止.jpg

シルビアシジミにも出会いました。

14シルビアシジミ開翅.jpg

天気が良かったので、シルビアシジミは翅を広げて日光浴。
しかしここでもクロに出会うことができませんでした。

15さらば小値賀島.jpg

巡礼の旅は時間切れとなり、佐世保行きのフェリーに乗り込み島を出港しました。

16舟森集落跡.jpg

その途中、遠くに野崎島の舟森集落跡が見えてきました。十字架に再来を誓いました。

17さらば小値賀島、野崎島.jpg

さようなら。今度来るときはクロに出会えるように…お願いします。(そのしたごころがよくない。)

※「野崎島の集落跡」小値賀島町は、2018年7月1日「長崎、天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成遺産として世界文化遺産に登録されました。※
nice!(5)  コメント(2) 
共通テーマ:地域

私の巡礼の年(夕映えに赤く染まる。)(小値賀島・野崎島編)(長崎キリシタン世界遺産)【アカタテハ、ヒメアカタテハ】 [長崎県]

冬眠で中断してしまったクロ(クロツバ●シジ●、このチョウの記事ではないので、●にはメとミが入ります。)を巡る巡礼の旅の続きです。(平成26年秋のことで最新の記事ではありませんが、ときどき登場しますので、おつきあいください。)

01大荒れ.jpg

佐世保港からクロを探しに五島列島の東に位置する小値賀島に行ってきました。乗り込んだ高速船は、東シナ海が大荒れだったため、たいへんなメに会いました。

02到着.jpg

その日は小値賀島に泊まって、翌朝、小値賀島の東に位置する現在はほぼ無人の野崎島に行きました。定期船が故障したため、そのかわりに小値賀町がチャーターしたつり船で野崎島に到着しました。

03西海国立公園.jpg

ここは西海国立公園のまっただ中です。

04旧野首教会が見えた.jpg

そして世界遺産候補「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の一つ「旧野首教会堂と関連遺跡」の施設があります。野崎島の野崎港から無人の野崎集落跡を抜け、野首集落跡まで歩きました。野首集落跡に近づくとそこには堂々たる赤れんがの野首教会が建っていました。

05旧野首天主堂の顔.jpg

野首集落に住んでいた17世帯の信徒の寄付で建てられたとは思えない立派なものです。

06海に向かって.jpg

野首教会は、当時の教会建築の第一人者、鉄川与助棟梁によって建てられたそうです。

07野首天主堂内部.jpg

現在、野首教会は教会としての役目を終え、文化財として小値賀町が大切に保存管理しているそうです。そんなことなので撮影はOKのようです。祭壇にコウモリ天井、そしてステンドグラス。はるばる来たぜ〇〇という心境です。

08午後のステンドグラス.jpg

4色のステンドグラスからはそれぞれの色の光の帯が内部に向かって伸びていました。

09丸窓ステンドグラス.jpg

教会の入口にはステンドグラスの丸窓が飾られていました。

10柱の彫刻.jpg

柱にローマ風の彫刻がされ、コウモリ天井の中心にも彫刻が飾られていました。

11テンドグラス赤.jpg

赤いステンドグラスを通して、外の荒涼とした野首集落跡が見えました。

12ヒメアカタテハ吸蜜.jpg

有毒なためシカが食べない外来種のトウワタの花でヒメアカタテハが吸蜜していました。

13ヒメアカタテハ静止.jpg

火口の噴出の痕跡である赤土の上にヒメアカタテハが止まっていました。

14アカタテハ静止.jpg

赤土にアカタテハも止まっていました。

15野崎島爆裂火口.jpg

この赤土は野崎島の海岸に向かって開いている爆裂火口が原因だそうです。

16二半岳に登ろう.jpg

野島集落跡にあった案内板に二半岳の登山道が掲示されていました。山やとしては登ってみたくなります。時間もあることですし、二半岳に登ることにしました。

17二半岳中腹の眺め.jpg

中腹から野首集落跡の野首教会と綺麗な砂浜が見えました。

18山頂から小値賀島島影.jpg

二半岳山頂の見晴らしは思ったよりよく見えました。平坦な小値賀島の特徴がよくわかりました。

19野生牡シカ.jpg

二半岳では野生のシカとよく遭遇しました。オスジカがこちらを見ていました。
野崎島は野生ジカがたくさん生息しているそうです。そのため登山道の林には下草が無い印象でした。

20浜辺からの天主堂.jpg

野首集落跡の東には綺麗な砂浜があり、かつては海水浴場だったようです。浜辺からも野首教会が見えました。

21舟森集落跡.jpg

帰りの船の中から野崎島の南にある舟森集落の跡地が見えました。ここも世界遺産候補地です。本当の僻地、断崖に築かれた集落の跡に機会があれば行ってみたいと思いました。

22島に沈む夕陽.jpg

小値賀島に戻り、東シナ海に沈む夕陽に赤く染まりながらお祈りしました。「明日もお陽様が微笑んでくれますように。」

※「野崎島の集落跡」小値賀島町は、2018年7月1日「長崎、天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成遺産として世界文化遺産に登録されました。※
nice!(4)  コメント(2) 
共通テーマ:地域

私の巡礼の年(生月島編)【モンシロチョウ、コミスジ、ナミアゲハ、モンキアゲハ】 [長崎県]

平戸島の隣にある南北に長くひょろっとした島が生月島です。生月島にはク●ツバメ●ジミ(クロとします。)が生息しているらしいので、待望の出会えるチャンスです。
 
01南蛮船.jpg

今回は平戸桟橋近くにある南蛮船のモニュメントから出発です。

02生月大橋工事中.jpg

平戸島と生月島をつなぐ生月大橋は工事中でしたが、しかとして歩いて渡りました。(ご迷惑をおかけしました。)

03アゴ漁.jpg

海峡はまさにアゴ(トビウオ)漁の最盛期で、2艘の船がタイミングを図って網を引き、アゴを獲っていました。地元の方の話しでは、アゴ漁はよい風向きと強い風が漁を左右するそうです。この日の風は絶好の日でした。

04アゴダシラーメン.jpg

生月島の名物の一つ「アゴだしラーメン」を食べました。ここではだしとえばアゴだしだそうです。

05島の館.jpg

生月島にある平戸市生月町博物館島の館を見学しました。

06勇魚とり.jpg

ここの1階はかつて盛んだったクジラ漁や江戸時代の史上最大(身長2m27cm)の相撲取り「生月 鯨太左衛門」に関する展示が行われていました。2階は、生月島の生活と祭りや隠れキリシタンの展示でとても充実していました。

07塩俵の断崖.jpg

一応、ナチュラリストなんで…。生月島の西側は断崖が続きますが、なかでも塩俵の断崖は生月島を代表する絶景だそうです。

08大バエ灯台.jpg

大バエ灯台も名所の一つです。ちなみにハエ(蝿)とは関係ございません。

09高所恐怖症.jpg

灯台の下は断崖絶壁です。

10断崖を行きましょう.jpg

断崖を行きましょう。でもアゴ漁の絶好の日は、強風が吹き荒れる日です。チョウはヤマトシジミが少々と……残念な結果に。

11生月自然歩道.jpg

またの機会に訪れましょう。

12モンシロチョウ静止.jpg

生月島にはエゾスジグロシロチョウが特異的に生息しているそうですが、いたのはモンシロチョウでした。

13コミスジ静止.jpg

平戸島ですが、コミスジがスイスイと飛んでいました。

14アジアイトトンボ.jpg

生月島の草原にはアジアイトトンボがいました。

15ナツアカネ静止.jpg

生月大橋を渡ってすぐの場所にいたナツアカネ。

16マユタテアカネオス.jpg

マユタテアカネも平戸島にいました。

17ウスバキトンボ静止.jpg

ウスバキトンボも平戸島で撮影しました。

18ヤブツルアズキ.jpg

ヤブツルアズキは生月島で咲いていました。日本在来のアズキの原種だそうです。

19ガスパル様.jpg

強風のためチョウ探しを断念して、生月島で巡礼の旅をしました。先ずは生月島のキリシタン殉教の碑、ガスパル様にお参り。

20山田教会.jpg

そして「蝶の教会」山田教会に行きました。この教会は大正元年に教会建築の棟梁鉄川与助氏が建てたものだそうです。平成2年の改修の際、教会の壁は、キリストの受難を蝶の羽根を使ったオブジェの壁画で飾られました。現役の教会なのでブログの掲載は自主規制。そういえば、たびら昆虫自然園でも田平教会の元神父様から寄贈を受けた貴重なチョウの標本が展示されていました。この方はチョウの研究者でもあるそうです。

21生月大橋と漁港.jpg

生月大橋の近くの漁港からもうすぐ出航する巻き網漁の漁船が待機していました。巻き網漁は船団を組んで外洋で長期にわたって漁をするそうです。

22平戸の鬼洋蝶.jpg

平戸島のお土産屋で売っていた「平戸の鬼洋蝶」です。凧揚げのたこの一種ですが、同じようなものを五島列島で見ました。とてもチョウとは思えませんが、上げるものは縁起ものです。

23アゲハ吸蜜.jpg

ナミアゲハが吸蜜。

24モンキアゲハ吸蜜.jpg

夕陽に包まれたモンキアゲハ。

25平戸城遠景.jpg

平戸城の空模様は風雲急を告げているようでした。楽しかった平戸島を離れて、次こそはクロに巡り会えるか。それは次回以降のおたのしみ。つづく。
nice!(3)  コメント(2) 
共通テーマ:地域

私の巡礼の年(平戸島編その3)【ツマグロヒョウモン、メスグロヒョウモン、ジャノメチョウ、ムラサキシジミ、タイワンツバメシジミ】 [長崎県]

今回は、写真がもりだくさんですが、クロとは全く関係ないところです。でもクロの仲間がいるようなので、巡礼の番外編としました。9月に行った長崎県平戸市での出来事です。

01平戸教会.jpg

朝飯前に平戸の町並みを散歩しました。まずは平戸の街中にそびえるザビエル記念教会を見学しました。左右非対称の尖塔が個性的な華麗な教会です。日本にキリスト教をもたらしたフランシスコ・ザビエルは平戸に3回来たそうです。

02寺院と教会の見える道.jpg

教会からの帰り道は「寺院と教会の見える道」を通りました。この道は平戸の代表的な景観の一つです。

03川内峠登山口.jpg

さらに代表的な景観の一つに川内峠があります。川内峠には「海抜0mから登ろう。」とバス停、川内峠登山口から出発しました。ヤマヤの心意気。

04川内峠園地.jpg

草原の山、川内峠は、家畜の飼料用のために木を切り開いて作ったそうです。周りには戦時非常食用にマテバシイの林が植えられているそうです。

05川内峠に到着.jpg

登山道は田んぼや畑、植林地を抜けて、西海国立公園に指定されている川内峠にトウチャコ。

06川内峠三角点.jpg

川内峠の三角点です。見晴らしも最高です。

07オミナエシ.jpg

この時期、草原も秋の花盛りとなりました。先ずは秋の七草の一つ「オミナエシ」の花が風に揺らいでいました。

08ヒメシオン.jpg

各地で絶滅が心配されている在来種「ヒメシオン」も草原の花。

09ヒヨドリバナ.jpg

ヒヨドリバナの仲間も草原の花です。

10キセワタ.jpg

背の高いキセワタの花にはアゲハをはじめ、たくさんの昆虫が吸蜜に訪れていました。

11ヤマラッキョウのつぼみ.jpg

平戸の草原のヤマラッキョウの仲間はまだ堅いツボミでした。もしこのツボミが平戸の固有種だったら絶滅が心配されています。

12タヌキマメ川内.jpg

ツボミがタヌキの尾っぽのようなことからタヌキマメというそうです。

13ノアザミ川内.jpg

草原を彩るアザミの花がたくさん咲いていました。

14フウロソウの仲間.jpg

艶やかなフウロソウの仲間も咲いていました。

15シバハギ川内.jpg

シバハギは見つけるのがたいへんでした。

16ナンバンギセル川内.jpg

南蛮船の寄港地平戸の丘の上に咲いていたナンバンギセル。

17ツマグロヒョウモン静止川内.jpg

チョウの一番手はツマグロヒョウモンのオスでした。

18ジャノメチョウ静止川内.jpg

草原のチョウ「ジャノメチョウ」もいました。

19ムラサキシジミ静止川内.jpg

森と草原の境にはムラサキシジミや。

20メスグロヒョウモンメス静止川内.jpg

メスグロヒョウモンのメスも飛んでいました。

21ツバメシジミ.jpg

平戸市にはクロの仲間がいるらしいのですが、このチョウかな。ここにいたのではないので、名前はパス。

22捕獲禁止.jpg

もしクロの仲間だったら捕獲禁止です。罰金は一千万円に改正しましょう。

23ナツアカネ静止川内.jpg

風が強めだったので、トンボの写真はぶれて残念な結果に。ナツアカネが止まっていましたが…。

24シオカラトンボメス静止川内.jpg

シオカラトンボは縦に止まってました。うまくいった。

25マイマイカブリ生.jpg

道にマイマイカブリが出てきました、と思った瞬間。

26マイマイカブリ死んだ.jpg

死んでしまいました。それとも死んだふり?あれれ、わしなにもやっとらんで。(おろおろ)

27教会が見えた.jpg

川内峠から歩いて平戸市街に戻りました。朝、見学したザビエル記念教会の塔が見えました。ヤマヤとしては満足です。

今回はおまけ付き。
登山のあと、少しだけ教会に巡礼をしてきました。

28宝亀教会.jpg

平戸島の中程に宝亀教会があります。宝亀教会の外観は個性的で雰囲気はラテン系。でも中に足を踏み入れるとコウモリ天井の荘厳な雰囲気でした。

29紐差教会.jpg

宝亀教会とは雰囲気ががらっと変わって、白い尖塔がいかにも長崎らしい紐差教会も行ってきました。この教会も教会建築の第一人者鉄川与助氏が建てたもので、鉄筋コンクリート製だそうです。

30紐差教会のステンドグラス.jpg

紐差教会の内部は白を基調とした花の浮彫が見事な折上天井で、すごーく荘厳で美しいのですが、ここも現役の教会なので自主規制。この玄関のステンドグラスは、内部のものと同じ模様でした。
クロを探す旅はまだまだ続きます。
nice!(3)  コメント(2) 
共通テーマ:地域

私の巡礼の年(昆虫の里たびら編)【カラスアゲハ、ナガサキアゲハ】 [長崎県]

9月と11月に、クロがついている名前のチョウを求めて、長崎県を巡礼しました。そのときの話しです。

01道の駅昆虫の里.jpg

今回は昆虫の里たびらを巡礼しました。たびらの「道の駅」にある大カブトムシのモニュメントから出発です。朝の内にたびらの海岸に行って来ましたが、相変わらすクロに出会えませんでした。

02田平天主堂キリシタン墓地から.jpg

せっかくなので、世界遺産候補「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の一つ「田平天主堂」に行くことにしました。この天主堂は国指定の重要文化財でもあります。日本における教会建築の第一人者の鉄川与助の最高傑作の一つだそうです。隣には信者さんの墓地がありますが、威厳の中に明るい雰囲気がある天主堂でした。

03田平天主堂聖母像.jpg

正面に聖母様がいて、それが明るい雰囲気を放っているかも…。天主堂の中もたいへん綺麗でとても大正時代に建てられたと思えません。イタリア製のステンドグラスが見事なのですが、現役の教会なので自主規制。

04田平天主堂後方から.jpg

長崎の教会は後から見ても綺麗なシルエットです。

05世界遺産の彼岸花.jpg

教会のお花畑に咲いていたヒガンバナにはカラスアゲハが吸蜜していました。

06さらば.jpg

カメラ目線に気づかれ、逃げられましたが、そろそろ次の所に行かないと…。

07昆虫館.jpg

昆虫の里たびらには、たびら昆虫自然園があります。もとは長崎県の果樹試験場だったそうですが、田平町(現在は平戸市田平町)が昆虫自然園に変えました。田平町には昆虫写真家栗林さんがいて、昆虫自然園主催の写真コンテストの審査員をしているそうです。

08ホール.jpg

ホールには昆虫に関するグッツの売店もあります。

09たびら昆虫自然園の池.jpg

最初に職員(館長さんはたのしい)の方が昆虫のことを説明してくれます。目からウロコの話し多数でした。

10カブトムシ.jpg

子供に人気あるカブトムシがたくさん発生するよう、幼虫のすみかをたくさん作っているそうです。

11ナガサキアゲハ吸蜜.jpg

植物は、たびらの里に生えている樹木や草本が原則だそうですが、ナガサキアゲハが園芸種の花で吸蜜していました。

12ナガサキアゲハ産卵.jpg

カラタチで産卵を始めました。長崎県でナガサキアゲハが撮れてよかった。

13アゲハモドキ静止.jpg

近くにはアゲハモドキがジッとしていました。

14リスアカネ静止.jpg

この日は風があったので、枝先に止まっていたリスアカネはほとんどピンボケでした。

15マユタテアカネ交接.jpg

マユタテアカネは子孫を残そうと一生懸命でした。

16モノサシトンボ静止.jpg

池の薄暗い所にはモノサシトンボがいて、相変わらずのんびり飛んだり、止まったりを繰り返していました。モノサシトンボは撮りやすいので、大好きです。

17ベニイトトンボ静止.jpg

ベニイトトンボもいました。

18カトリヤンマ飛翔.jpg

カトリックの里にカトリヤンマがいたというのは出来過ぎの話しでした。今回もバチが当たることをしたので、クロに会えず。巡礼の旅は続きます。

※2018年7月1日「長崎、天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」は世界文化遺産に登録されましたが、田平天主堂は「長崎、天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成遺産に含まれていません。※
nice!(3)  コメント(2) 
共通テーマ:地域

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。