中山道を一路（馬籠宿の物語）【ギフチョウ】

中山道を行く大名行列の日々の出来事を綴った小説を読んで、小説の世界に浸ってみたくなりました。
まずは馬籠宿、幼いスワの物語です。



スワはいった。「私が生きていたとき、故郷の馬籠宿は大火事の後で、生家はもちろん、宿場には焼け野原以外何もありませんでした。そのとき出会った御殿様始め、行列の方々に助けられました。」



「その後も、馬籠宿は再建されたり、また大火事で焼けたりを繰り返しました。馬籠宿は牡丹の花が家々の軒先を飾り、とても綺麗です。」



「御殿様の行列が通った時には無かった馬籠宿の本陣です。次の時代に木曽でお生まれになった木曽の夜明けの時代ことを書いた物書きの先生の記念館になっています。」



「記念館には、いわくの牡丹が花を咲かせていました。なんでも次の時代、大火事にあった馬籠宿で、この牡丹が焼け跡から花を咲かせました。そのことから今では牡丹の花が馬籠宿の火除けの花として、家々の軒先を飾っているそうです。」



「私はその後、隣村で一生を終え、今はギフチョウとして生きています。いにしえより牡丹の花には蝶がつきものですから・・」



「たくさんの方が、大きな網を持って、私を捕まえようと、ここ開田村（当時）まで押し寄せてきます。」



「私の父は馬籠宿で荷運びを生業としており、大火事で亡くなりましたが、木曽馬と関わりあって生活をしていました。」



「春の木曽御岳山です。いまも木曽の御岳山は「夏でも寒い」と歌われています。」



「開田高原の春はスミレをはじめ、



ヒカゲスミレ？や



とても綺麗なフモトスミレが花を咲かせます。」



「ホソミオツネントンボは、厳しい冬を越し、青く姿を変えました。」



「マイズルソウや



ミツバツチグリ、



リュウキンカも花を咲かせて綺麗です。」



そう言うとスワは翅を広げ飛び立った。スワの前には大きな世界が広がっていた。

タグ：ギフチョウ