北極圏の恋は氷河時代から続く【ダイセツタカネヒカゲ】 [北海道]
大雪山の稜線は砂礫と岩礫のヒース地帯と雪田で形成され、氷河時代の生き残りが生息する特異地帯です。お花畑の花は日本ではここだけのものがたくさんあります。
そんな赤岳山頂はダイセツタカネヒカゲとキイロウスバアゲハが飛び回る高山チョウの聖地です。
ダイセツタカネヒカゲは大雪山と日高山脈の一部にしか生息していない高山チョウで国の天然記念物です。翅色が岩と同化して飛ばないとわかりませんが、晴れの日は、猛スピードで飛びまわり、急降下してピタっと岩に止まります。翅を横倒しにして、カモフラージュ。風が吹いてもこれなら大丈夫ってところでしょう。
メスが風に乗って山頂に上がってくると、よい場所にいたオスと交尾。他のオスが邪魔に入ります。
山頂の三角関係。メスをめぐる争奪戦ですが、残念ながらもう交尾が成立していました。
邪魔者は退散。私も恋のお邪魔虫なのですぐに退散。
大雪山の山頂付近の環境は北極圏の寒さとか。
この寒さの中、氷河時代から延々と恋してきたなんて、大雪山の歴史の深さに感激したしだい。
赤岳山頂のヒース地帯に咲く植物はイワウメ
このイワウメの群落でキイロウスバアゲハが吸蜜をしていました。撮り逃がしました。
タカネスミレは風に負けす礫地に生えます。
ヒース地帯で一番最初に出会ったのもタカネスミレ
ミヤマキンバイは山頂で群落を形成してました。
山頂から黒岳方面。この日も最高峰旭岳は雲がかかって、ご機嫌ななめなので、省略
赤岳の途中にあるコマクサ平も風衝地帯です。
氷河期の特異な植物群にキイロウスバアゲハやダイセツタカネヒカゲが飛びます。
チシマキンレイカはオミナエシの高山の変異種で、別名をタカネオミナエシといいます。
イワブクロはたくさん咲いていました。この地帯だけですけれど・・・
キバナシオガマは大雪山だけに咲く花です。
赤岳入り口には高山チョウの掲示板。カラフトルリシジミは時期がちょっとずれるので、飛んでいませんでした。(と、思う。)
赤岳の山頂でキイロウスバアゲハを待っていたら、先に進めなくなってしまいました。
大雪山の名花、ホソバウルップソウは、次回の山行で逢いたいな。
ダイセツタカネヒカゲのone point
本州には、北アルプスと八ヶ岳の標高2,500m以上の高山にタカネヒカゲが生息しています。いずれも日本では限られたところにいますが、本当は北極の周りに広く生息しています。氷河期の生き残りのことだけあります。
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