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いにしえの城跡に滅びの美学【ウラナミジャノメ】 [長崎県]

対馬は韓国との国境にある島なので、大陸との歴史に常に左右されていました。

有明山.jpg

最大の街、厳原の西側にある有明山の登山道沿いにある清水山は、
豊臣秀吉が朝鮮に出兵した際に築かれた城跡の石組みが残っています。(国の史跡です。)

ウラナミジャノメ2.jpg

清水山の城跡にフワ~ン・フワ~ンと独特の飛び方で飛ぶチョウがいました。ウラナミジャノメです。
対馬には神奈川県を含め日本各地にたくさんいるヒメウラナミジャノメはいません。
神奈川県にもかつてウラナミジャノメがいたそうですが、今は絶滅して見ることはできません。

ウラナミジャノメ1.jpg

それどころか、ウラナミジャノメは日本各地の生息地から次々姿を消し、いまや城跡のような存在です。
そんなに美しいチョウではありませんが、それを考えるとなにか滅びの美学を感じます。

ウラナミジャノメ開翅 (2).jpg

対馬のウラナミジャノメはオスの翅表に毛の束がたくさんあるので、別種にする学者もいるようですが、
朝鮮半島にいる亜種に近い対馬亜種とされています。(ウラナミジャノメ本州亜種は絶滅危惧種です。)

ヒメウラナミジャノメ開翅.jpg

ウラナミジャノメは、普通にいるヒメウラナミジャノメとの生存競争に敗れたと主張する学者もいます。
いままで対馬以外にウラナミジャノメを見たことがありません。
このチョウは長崎県大村市の県道沿いにいたヒメウラナミジャノメです。

ベニバナボロギク.jpg

ベニバナボロギクが空き地に咲いていました。
ベニバナボロギクはアフリカからの外来植物で、九州で繁茂しているそうです。

トウワタ.jpg

フウセントウワタが同じく空き地に咲いていました。この花も外来種です。
実が男性の〇玉に似ているので、別名、◎玉草と呼ばれています。(お下品ですみません。)
トウワタの仲間は南方から地球温暖化にのって北上を狙っているカバマダラの幼虫の食草です。
フウセントウワタはうちの近所でも植えられていました。カバマダラは強いチョウです。
神奈川県でも数年もすると絶滅した弱いチョウにかわって、強いカバマダラが普通に飛んでいるかもしれませんね。
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コメント 4

こぎん

九州に行って来たのですか??

カバマダラはフウセントウワタもトウワタも両方食べるのですか??
このチョウ、見てみたいです。
フウセントウワタの実は・・・かなり好きです。素直に好きです!
でも、そんな名前は知りませんでしたし、声に出して言ったことはありません。
やがて、ぱっくりと割れ、中からふわふわとした綿毛が・・・
それもまた好きですし、お花も好きです。

by こぎん (2008-09-21 16:51) 

アサギいろ

こぎんさん
お下品ですみません。
カバマダラはすごくきれいなチョウです。
でも「きれいなものには毒がある。」の例え通り唐綿からもらった毒を成虫になっても持っている本家本元の毒チョウです。
ツマグロヒョウモンのメスはカバマダラに擬態して、鳥の目をごまかしているといわれています。
by アサギいろ (2008-09-21 21:29) 

mamire

フウセントウワタには怪しげな◎が付いていますよね。
とっても絵になる素材です。
蝶々と植物の関係は、きっても切れないものがあるのですね。
先日の私の質問にお答えくださってありがとうございました。
そうかなぁとは思っていたけれど、やっぱり「ガ」だったのですね。
蝶の図鑑で見つかるはずがありませんでした。

by mamire (2008-09-21 23:51) 

アサギいろ

mamireさん
フウセントウワタの別名は私の勝手な思い込みかもしれません。
このところ怪しげでお下品なことが好きなもので・・・
チョウのブログもいずれ「蛾と月のリズム」になるかも・・・

(それはないなぁ)
by アサギいろ (2008-09-23 22:29) 

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