伝説の「紫蝶幽谷」【マサキルリマダラ・ツマムラサキマダラ】 [台湾]
相変わらず南国のチョウの話です。
その前に台湾の公園には日本のいわゆるカラスがいませんでした。
公園の餌場に集まる鳥類です。
公園の朝はカラスのカーカーといった鳴き声がなく、さわやかです。
このチョウは台湾名「小紫斑蝶」日本名「マサキルリマダラ」です。
オスの翅表は紫に輝きます。
マサキルリマダラは台湾にいるルリマダラの仲間では一番小型です。
日本では八重山諸島で採取されているそうですが、迷蝶の範囲のようです。
多摩動物公園には台湾名「端紫斑蝶」日本名「ツマムラサキマダラ」が飛び交います。
翅を広げると紫の光りが広がります。
日本では八重山、沖縄、奄美まで進行し、九州を伺う勢いだそうです。
台湾に戻って、このチョウはツマムラサキマダラと思いますが・・よくわかりません。
ツマムラサキマダラのメスの翅模様の裏はオスより派手です。翅表は地味ですが・・
台湾ではルリマダラの仲間が集団で越冬します。
その越冬地に向かうチョウの渡りで、ものすごい数のチョウがコースを飛び交い、
そのため高速道路を一時止めたことがあるそうです。(以後、高速道路は改装したそうです。)
その集団越冬地を「紫蝶幽谷」というそうです。
個性あふれる面々【イシガケチョウ・リュウキュウミスジ・カバタテハ・テングチョウ】 [台湾]
そろそろ南国のチョウに飽きたかも知れませんが、まだまだ続きます。
台北市の大安森林公園の木の枝で盛んに鳴いていた派手な鳥です。
種類は台湾の鳥類図鑑が無いので調べていません。
鳴き声は大きいけれど、声の調べは美しかったです。
南国のチョウで最も個性的な部類に入るのがイシガケチョウでしょう。
2月の公園にはモンシロチョウに次いでたくさんいました。
日本では関西方面から東進、北上しています。
草原の花にも樹木の花にもたくさんへばりついて(ピッタシ)いました。
多摩動物公園でも花形のチョウの一種です。
でも一部から広げた翅がガのようだと嫌われています。
「そんなことはありません。」と胸を反らせているようです。
多摩動物公園に最も普通にいるチョウはカバタテハです。
茶色の普通っぽさで忘れられています。
その隣にいるオオゴマダラは最も花形のチョウです。
よく見ると筋状の翅が個性的です。
台湾に戻ってリュウキュウミスジです。台湾にはタイワンミスジもいますが、
翅の模様はリュウキュウミスジのようです。これは普通でした。
個性派のテングチョウも台湾で見かけました。
化けて出ても南国のチョウは派手です。【タイワンキマダラ、クロタテハモドキ、タテハモドキ、コノハチョウ】 [台湾]
今日は午前中の晴れから、突然の暴風雨にびっくりしました。
まだ台湾のチョウが続きます。台湾は約400種のチョウがいるチョウ天国です。
台湾にある原住民文化公園は故宮博物院の隣にありますが、
大々的な施設は特に無い、ごく普通の公園風です。
ここに咲く冬のチョウの重要な蜜源であるシロバナセンダングサは本来、外来種です。
その花にモンシロチョウに負けず、タイワンキマダラが何気なく飛んできます。
タイワンキマダラは1970年代に八重山諸島に定着し、北上を狙っています。
クロタテハモドキは日本ではまだ迷チョウです。翅の半分が無くても元気でした。
多摩動物公園昆虫館ではタテハモドキが出迎えてくれます。
たくさん飛んでおり、派手さはありませんが、翅の目玉模様に愛嬌があります。
タテハモドキは沖縄や奄美諸島では普通に飛んでいるそうです。
多摩動物公園昆虫館には珍しいチョウがいます。
枯れた木の葉にそっくりなコノハチョウです。
本来は森林に生息し、樹木の蜜を吸っています。沖縄県の天然記念物です。
翅を広げると派手な青が目に付きます。これではせっかく木の葉に化けたのに・・
夕焼け小焼けの翅の色【ヒイロシジミ】 [台湾]
今日はいい天気でした。
夕方、三浦市にある小網代の森のテッペンから見えた富士山の頂に日が沈みました。
真っ赤な夕焼けが空を染めているから、明日もいい天気でしょう。
台湾の原住民文化公園に赤い翅表をキラキラさせながらシジミチョウが飛んでいました。
オスの翅表は夕日のような緋色です。でも翅を広げてくれませんでした。
ハチには関係ございません。
後翅にある尻尾が頭のようになっていて、万が一の攻撃に尻尾の目玉が対応します。
翅を開くまでしばらく待っていましたが、(翅の)夕日が沈むまでは待てませんでした。
夕日の翅色が見たかったです。
郊外のキイロ、街中のシロ【タイワンキチョウ、タイワンモンシロチョウ】 [台湾]
2月に台湾に観光旅行し、憧れの故宮博物院を堪能しました。
今回は連れがいましたので、チョウを追うことが目的ではありません。
台北市郊外にある故宮博物院の隣には原住民文化公園という公園があります。
この公園は故宮の裏山から延びる林と草原の境目があって、
道端のシロバナセンダングサにはいろいろなチョウが飛んでいました。
この公園で昼飯に「日式弁当」を食べていて、チョウが飛んでいることに気が付きました。
日本では沖縄の八重山諸島に侵出しましたタイワンキチョウです。
前翅の茶シミのような模様が目印です。2月でも南国の台湾は暖かです。
このチョウはやや暗めの林と草原の境目が大好きです。
中正紀念堂公園の花壇にモンシロチョウが飛んでいました。
台北市の街中にある公園です。バックの建物は国家音楽堂です。
同じく街中にある大安森林公園の花壇にはタイワンモンシロチョウが、
並んで食事をしていました。モンシロチョウよりちょっと小型で、
前翅の黒斑の模様が違うのと後翅にも外縁に黒斑があります。
日本では長崎県の対馬に生息しています。八重山諸島にもいますが、
まだ定着までいっていなくて、迷蝶の範囲だそうです。
郊外の原住民文化公園でも飛んでいました。シロチョウの仲間の恋は戦いです。
公園にはモンシロチョウもタイワンモンシロチョウもたくさん飛んでいましたが、
目が慣れてくると翅を閉じていても、翅の模様の違いが分かるような気がしてきました。
皇帝の青磁色のチョウ【ルリタテハ・リュウキュウムラサキ・アオタテハモドキ】 [台湾]
今年は暖冬だったので、チョウはたくさん飛ぶだろうと期待していましたが、
花は次々と早めの満開を迎えているのに、チョウが全くいません。
早くもネタが切れてきました。
昨日に続いてルリタテハです。でもちょっと雰囲気が違うかも。
これは台湾産ルリタテハです。光線の具合かもしれませんが、
日本産のチョウと比べ、水色の帯の模様が微妙に違うような気がします。
2月中旬、日本を離れ台湾に行ってきました。目的は故宮博物院。
憧れの徽宗皇帝に拝謁するためです。皇帝愛用の汝窯青磁を堪能してきました。
赤い葉にとまるチョウは多摩動物公園昆虫館にいたリュウキュウムラサキです。
リュウキュウムラサキは台湾以南に生息し、沖縄にはまだ定着していないようです。
きれいな紫は高貴な色とされており、中国皇帝の住まいは紫禁城です。(徽宗は違いますが。)
アオタテハモドキも多摩動物公園昆虫館にいました。
その水色は徽宗の青磁の理想の色「雨過天青雲破処」の青い空のようです。
アオタテハモドキは近頃、沖縄に定着し、北上を狙っているチョウです。
このチョウのような青い空がずっと続くことを祈ります。
でもアオタテハモドキのメスは今の天気のようにオスと比べてパッとしません。
他のルリタテハの記事
http://blog.so-net.ne.jp/asagi-iro/2007-04-23