北の使者。南の旅人。【ウラナミシジミ】 [新潟県]
会合は午後からなので、犬夜叉号に乗って市内観光をしました。犬夜叉の作者は新潟出身だそうです。
その夜は、新潟のお酒の飲み比べ。お店の人に新潟の辛口と頼んだら、この3銘柄でした。お酒に弱いくせに新潟に来ると飲みたくなる…。
案の定、翌朝、ぐだぐだして始発に乗り遅れましたが、なんとか到着。久々の福島潟です。
朝寝坊したせいで、ほとんどのハクチョウやガンは、既に採食に飛び立っていました。数少ないハクチョウが、鳴き交わしながらの飛び立ち。観察舎ができたおかげで、寒さをしのげ、たいへん楽になりました。しかし、逆光で、遠い。でもこのくらいの距離が、鳥と人の一番いい距離かもしれませんね。
最後のハクチョウの群れが飛び立ち、福島潟は静かになりました。ハクチョウは、北国から冬の到来を告げに来たそうです。
しばらくすると早朝に飛び立ったオオヒシクイの群れが福島潟に戻ってきました。オオヒシクイも鳴き交わしながら飛んでくるので、福島潟はまたにぎわいを取り戻しました。
オオヒシクイは、隊列を組んで次から次に飛んで来ます。古来から歌に読まれ、日本人の魂を揺さぶる冬の風物詩の一つです。
滑走が必要なハクチョウと違って、ガンは優美な着水をします。
福島潟にはガンの餌となるヒシの実がたくさんあるようで、観察舎の望遠鏡で見ると、一生懸命こりこりと噛んでいました。(歯は無いけどね。)この日は、オオヒシクイ1,000羽、マガン350羽、ハクチョウ2,500羽いたそうです。
お昼前、ガンの帰りも無くなり、再び福島潟は静けさを取り戻しました。散策路を通って帰りましょう。
名残りのセイタカアワダチソウには、南の国からの旅人ウラナミシジミが吸蜜していました。
翅の色が赤っぽいので、タイリクから来たアキアカネと思いましたが、残念ながら石の色でした。普通のアキアカネのようです。
福島潟を紹介する展示施設にいたオサムシの標本です。水中のタニシを食べるとか。ものすごーい絶滅危惧種だそうです。
福島潟を離れて、犬夜叉号で日本海の海岸にある水族館に行くことにしました。近くには童謡詩人、北原白秋の「砂山」の歌碑があるそうなので行ってみました。
「海は荒海 向こうは佐渡よ 雀鳴け鳴け もう日が暮れた……」
初冬の夕暮れ。日本海の荒波。向こうには佐渡島が浮かびます。歌の世界に浸ってきました。
水族館を見学しました。テニスの錦織選手ごひいきのノドグロを育成中とのこと。たのしみだニャ。
今日はチョウが少ないので、水族館にいたバタフライフィッシュをお楽しみください。
売りのアカムツ(ノドグロ)がいました。
帰りの新幹線まで時間があったので、新潟の居酒屋でノドグロの塩焼きを食べました。高級魚(一尾2,200円なり)なので、非常に美味しくいただきました。そしてまたおいしいお酒。明日から仕事なのに…。困った旅人です。
草木になびいて【アカタテハ】 [新潟県]
ドンデン山登山口は早春のヤマザクラが咲いていました。
登山道は次から次に清流を徒渉しますが、その緊張感と別になんか気分がわくわくします。
清流の岸辺にはいろいろな花が咲き乱れるからです。
スミレサイシンも他の花に負けずに咲いていました。
ナガハシスミレのかかとは、ネコのしっぽと思うのは私だけ・・・
イラクサの芽生えたばかりの葉っぱにアカタテハのお母さんが次から次へと産卵していました。
イラクサの仲間の植物から採れる繊維で織られた布は上杉謙信の大きな収入源だったそうです。
上杉謙信の強敵は、実はアカタテハだった・・・なんてね。
エゾエンゴサクの色変化。まずは青紫のエゾエンゴサク。
次に水色のエゾエンゴサク。
最後は白色のエゾエンゴサク。
雪解けのカタクリと一緒に咲くのは雪割草ことオオミスミソウ。
青紫のオオミスミソウ。
薄紫のオオミスミソウ。
ちょっと花びらが短めの薄紫のオオミスミソウの群落。
オオミスミソウの色変化はまだまだ続きます。
赤紫のオオミスミソウ。
極め付きは、青、紫、ピンクと色とりどりのオオミスミソウ。
たくさんの色とりどりの草木に心なびいた佐渡島の山旅でした。
占いは大吉。しかし・・【スジグロシロチョウ】 [新潟県]
アオネバ渓谷の解説板です。ここでは山野草の採集をしないようにとのことです。
登山口付近にはウスバサイシンが地味に花を咲かせていました。
歌にも出てきますが、地味な花は気付いてくれないようです。
でも占いは・・・今日は大吉です。
アオネバ渓谷は渓流が至る所に流れています。
豊潤な山野で華麗な花々が咲いていましたが、それを食害する野生のシカはいないようです。
ここには、シカによる食害の心配がないため、シラネアオイが至る所に咲き誇っていました。
シラネアオイは日本固有種の一属一種の花で、山野でこそ輝きます。
シカの食害の心配は無いようなのですが、花の美しさからヒト科ヒト属の盗掘が絶えないようです。
流れの脇はニリンソウの群落が楽しそうです。
また、青い花のキクザキイチゲが雪解けの山野に爽やかな風を運びます。
数多くはかなったのですが、アズマイチゲも見られました。
アマナがたくさん咲いていました。ここの植物はみんな背が低くて可愛らしい。
佐渡島のお花畑の中をスジグロシロチョウが飛び交っていましたが、全く止まる気配がありません。
気分は大吉ですが、こればかりは思い届かず・・・惜敗しました。
このチョウは翌週行った箱根で飛んでいたものを借りてきましたので、あしからず・・・
昆虫のブログなので、チョウはあきらめて、花と昆虫のコラボ。
まずはビロウドツリアブとイワカガミです。
ミヤマカタバミと花粉まみれのあぶさん。
オオミスミソウにも可愛らしい虫がちょこんと乗ってました。
純白な雪割草の花と
まだ白い山肌の佐渡最高峰、金北山です。
(次回は草木もなびいて、チョウがいた編です。)
福を呼ぶお神酒【コツバメ】 [新潟県]
前夜祭は、新潟のおいしいお酒で乾杯です。
でも翌朝、二日酔いで寝過ごし、タクシーに飛び乗って新潟港へ。
ホントはお酒が苦手なんです。
なんとかフェリーに間に合い、新潟港を無事出港できました。
佐渡島の両津港に到着。大佐渡の山々はまだ残雪に輝いていました。
冬山装備は持ってこなかったヨ。どうしよう。
エイ!と気合いを入れてアオネバ渓谷経由でドンデン山に出発。
佐渡島固有の植物保護のため、登山口に靴底をブラシで清潔にするよう「お願い」が書いてありました。
アオネバ渓谷の支流を何回か徒渉しました。
アオネバとは渓流が青い岩石で形成されているからだそうです。
登山道にフクジュソウが咲いていました。
今日も福が訪れそうです。
さらに登るとエンレイソウの葉にチョウの黒い影が・・・
コツバメが日向ぼっこしていました。やったね。
昨夜のお神酒が効いたようです。
予想通り山頂付近はまだ大雪が残っていて、もうたーいへんでした。
やっとこさ。ドンデン山の頂に〜とうちゃこ〜
アオネバ渓谷では、雪解けとともにカタクリが花を咲かせていました。
佐渡島のカタクリは葉に茶色の斑紋が無いため、瑞々しく感じられます。
そして他では見られない雪割草の群落が、あっちにも、こっちにも・・・・
光り輝く花と華【ルリタテハ】 [新潟県]
国営公園は、チューリップ祭りが開催されているため、たくさんの人でにぎわっていました。
黄色いチューリップが太陽からの光りを受け輝いていました。
サクラも青空の下、輝いて見えました。
コナシも白い花を咲かせ、
オオカメノキの白い花と緑の葉っぱは、太陽の光を透過させていました。
日本海側はタムシバが多いそうですが、地元の方はコブシの花と教えてくれました。
クロモジの花は地味ですが、枝はとてもよい香りで、高級な楊枝になります。
公園のお昼過ぎ、公園の展望台近くの木から出ている樹液をルリタテハが吸っていました。
なかなか翅を開いてくれなっかたので、同じ時期、同じ時間帯で撮った長野県のルリタテハです。
夕日を浴びて、瑠璃色の翅が光り輝いていました。
日本海側に咲くユキツバキの花と太平洋側の咲くヤブツバキとでは花の形が違うそうです。花の形の違いは新幹線のイスポケットに置いてあるJRのPR雑誌に書いてありました。「ヤブツバキは鳥が吸蜜しやすいようになっているが、ユキツバキは鳥以外に虫も吸蜜できるように花にプラットホームがある。」ということですが・・・。ホントですね。
公園の一角にはユキツバキの林があって、虫にも優しいユキツバキがたくさん花を咲かせていました。虫が飛んでいなかったため、確認することができず残念です。
ユキツバキの林を抜けたところ。閉園間際、斜めの光を受けコブシの花木が光り輝いて見えました。
ネコのしっぽは、スミレのかかと【ヒオドシチョウ】 [新潟県]
国営公園は新潟県長岡市の里山にあります。
公園内には長岡市内にあった民家を移築して公開しています。
まだ早春なので、チョウはギフチョウ、春アゲハ、越冬したタテハチョウしか飛んでいませんでした。
ヒオドシチョウはここでもお山の大将をしていました。
切り株のうえで翅を広げて存在をアピール。「このシマは俺の者だ。」
太平洋側出身の私にとって、日本海側の新潟に来るとスミレの種類が違うので、撮影に夢中になってしまいます。
まずは黄色いスミレの代表格「オオバキスミレ」です。
「スミレサイシン」も日本海側のスミレです。太平洋側は葉の長い「ナガハノスミレサイシン」がさいています。
「ナガハシスミレ」のことを私は「ちょんまげスミレ」と密かに思っていましたが、このところ、長い距がネコのしっぽのようにも見えてきました。
「オオタチツボスミレ」も新潟に来ないと見れないスミレです・
「マキノスミレ」も神奈川の里山にはないものです。
以上、久々のご対面でした。
「ニシキゴロモ」は高尾山にも咲いていました。
「フデリンドウ」も咲いていました。お山のてっぺんは春爛漫でした。
途中の杉林の林床には、雪解けの花「ショウジョウバカマ」がまだ咲いていました。
白い花の「ショウジョウバカマ」も見つけてしまいました。
この花は、初めて見ました
雪の花は、幸の華【ギフチョウ】 [新潟県]
そんなことで、新潟方面に行ってきました。
思い立って、新潟県長岡のギフチョウを見るため、春うららの散歩道を歩くことにしました。
散歩道の入り口には、オオミスミソウがまだ残っていました。ラッキー。
オオミスミソウは、雪割草として、山野草の世界で多くの愛好家がいるそうです。
今回もピンク、青、紫、白、一重、八重と色とりどりの花びらで咲いていました。
雪解けとともに咲き出すオオイワカガミ。葉っぱが銅鏡のようなことから鏡と名が付いたそうです。
雪解けとともに咲く花、その三はキクザキイチリンソウです。
トキワイカリソウは主に日本海側の山地で咲きます。
雪解けとともに咲く花のトリはカタクリです。
カタクリは、場所によっては大群落をつくります。
ここでも大群落をつくっていました。
長岡のカタクリの花には、ギフチョウがつきものです。
残念ながらカタクリの花もギフチョウもとうに盛りを過ぎていました。
それでもギフチョウはスミレの花で吸蜜を繰り返していました。
ギフチョウ曰く「降りる位置を間違えた。」
スミレの花はいまが盛りです。
ギフチョウ曰く「よっこいしょ。」
ギフチョウ曰く「花盛りの蜜はおいしいなあ〜」
私もお腹がすきました。
カタクリもギフチョウも、そして私も幸せなのはここが平和だから・・・
だって、すべて国営公園の中の出来事だからです。
涙のギフチョウの旅その3【ギフチョウ】 [新潟県]
新潟県にある刈羽三山のひとつ、八石山(はちこくやま)に登りました。
刈羽黒姫山から見た八石山です。長い稜線が米山から見ると釈迦の涅槃に見えるそうです。
山頂から日本海や佐渡が見えることから人気の山で、この日もたくさんの登山客で混んでいました。
キバナイカリソウは日本海側の山で見られます。刈羽黒姫山でも群落を形成していました。
イワカガミもたくさん咲いていました。一瞬ギフチョウがとまったのですが、撮り逃がしました。
フデリンドウを見つけました。春のリンドウは秋のリンドウに比べてとてもかわいいい花です。
ギフチョウはケンカばかりしていて、じっとしていないので、飛んでる写真を撮りました。
ボケボケですみません。今回の山旅でマトモなギフチョウの写真を撮ることができませんでした。
涙、涙のギフチョウの旅でした。
この写真は昨年、新潟県五泉市にある川内山系の一つ、木六山で撮ったギフチョウです。
前回のギフチョウの記事
http://blog.so-net.ne.jp/asagi-iro/2007-04-21
涙のギフチョウの旅その2【ヒオドシチョウ】 [新潟県]
新潟県の柏崎市にある刈羽黒姫山はギフチョウが登山道の辻辻に飛んでいました。
でも、とまらない。ケンカばかりと最悪。結局、あれだけ飛んでいたのに・・・・
中腹のブナ林の木漏れ日は新緑のうすみどり。
落葉樹林に覆われているので、展望は利きませんが、展望台が一箇所あります。
刈羽三山の盟主、米山がよく見えます。今日は米山さんに雲がありませんから天気は晴れです。
刈羽黒姫山は信仰の山です。登山道の途中に何箇所か石仏が並んでいます。
山頂には祠と不動明王の石仏がありました。
コブシの花の開花は地方によっては、田植えの準備に入る目印だったそうです。
新潟の里山はたいへんな数のカタクリが当たり前のように咲きます。
東京近郊じゃ、カメラマン等が押し寄せ、たいへんな騒ぎになりますが・・
また、カタクリのかたわらにシラネアオイあり。
シラネアオイの天敵のシカは、豪雪地帯では雪に脚をとられるので、いないそうです。
シカの食害を受けることなく、元気に咲いていました。
山頂には、ボロボロのヒオドシチョウがいて、ザックの上にとまりましたのでパチリ。
その不動明王の化身がギフチョウを追い払っていました。
そこのけ、ここは神聖な山頂であるぞよ。
前回のヒオドシチョウの記事
http://blog.so-net.ne.jp/asagi-iro/2007-04-17-1
涙のギフチョウの旅その1【コツバメ】 [新潟県]
5月の連休、ギフチョウを求めて新潟の里山に行きました。
新潟県の刈羽黒姫山(かりわくろひめやま)は1時間で登れるブナ林の山です。
刈羽三山の一つ七石山から見た刈羽黒姫山は三角錐のきれいな山です。
手軽に登れる信仰の里山ですが、ブナ林は立派です。人がほとんどいない静かな山でした。
オオバキスミレは、雪国特産の黄色いスミレです。雪国の山では普通ですが、関東にはありません。
春のブナ林の林床に生えるそうですが、ブナの林はスミレもきれいです。
これも雪国のスミレ、スミレサイシンです。スミレサイシンは地上茎が無いスミレの種類の代表です。
白花のスミレサイシンがありました。スミレサイシンはかつて山菜として利用されていたそうです。
これまた、日本海側にいかないとお目にかかれないナガハシスミレです。ピンボケですみません。
別名、テングスミレ、というより私的にはチョンマゲスミレと思います。
中腹にはコツバメがピューッと飛んでいましたが、とまってくれましたので、パチリ。
コツバメがとまる時は翅を広げることはありませんので、飛んでいるときパチリ。
きれいに撮れたつもりが、ピンボケでした。
最高にピンボケです。かろうじてコツバメと分かります。
ところで、ギフチョウは・・・・・
これはまた別の機会に・・・つづく・・・・