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私の巡礼の年(平戸島編その2)(長崎キリシタン世界遺産)【イシガケチョウ、クロコノマチョウ】 [長崎県]

クロを求めて波乱万丈の巡礼の旅をしてきました。長崎県にある世界遺産の候補地「平戸島の聖地と集落(安満岳とその周辺、春日地区棚田及び中江ノ島)」の話しの続きです。

01白山神社の参道入口.jpg

9月初旬のこと、平戸島にある安満岳の登山口である白山神社の正式な参道の前に立ちました。でも様子がへんです。嫌な予感がして、たまたま通りかかった地元の方に訪ねると、もうこの道は通れないとのことでした。

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行ける所まで行こうと登り始めましたが、すぐに道が荒れ始め、途中で全く分からなくなりました。

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安満岳をあきらめ、ここまで来たので、近くにある平戸島で最も山奥にある山野集落にある教会に行ってみることにしました。山野集落は全戸、カトリック信者だそうで、山野教会は清楚な教会で、心静かな時を過ごさせていただきました。

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山野教会への行き帰り道には、たくさんのチョウやトンボが飛び交い、時を忘れるほどでした。途中でイシガケチョウが産卵していました。近くに寄っても飛んで行きませんでした。

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突然、胸にスズメバチが飛んで来て、やられた(刺された)と慌てましたが、トラカミキリだったので安心しました。それにしてもハチの仲間にそっくりです。

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時は進んで11月の平戸島にある根獅子の浜です。夏は海水浴場だそうですが、キリシタン殉教の悲しい歴史があるそうです。

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根獅子集落はかつてほとんどが「隠れキリシタン」(古くからの日本に土着したキリスト教信者で、カトリック信者ではないとのこと。)の方々の集落で、いまでも古くからの習慣を守っている方がいるそうです。この「おろくにんさま」は「隠れキリシタン」の方々の聖地で、素足でお参りすることが決まりだそうです。

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根獅子集落の北側に春日集落があり、その集落も「隠れキリシタン」の里だそうです。
11月、収穫の終わった棚田が広がっていました。雨は降ったりやんだりしており、ガスで見え隠れはしていましたが、棚田のバックには安満岳がどっしりそびえていました。

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春日の棚田の真ん中は小高い丘になっており、その頂上は「丸尾様」といって春日集落の聖地になっていました。そこからは古い時代のキリシタン墓地が出土したそうです。この春日の棚田とその聖地は数年後には世界遺産です。

10春日の浜.jpg

棚田は海岸近くまで続きます。浜にクロがいないか探しましたが、いませんでした。

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春日集落をはじめ「隠れキリシタン」の里は、仏教徒を装うため、集落に「三界万霊塔」を設けていたそうです。

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雨に打たれて、小菊の花が輝いていました。

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フユワラビが冬の到来を感じさせました。

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雨の中、林の中にはクロコノマチョウがいました。今日もクロには会うことができませんでした。でも世界遺産候補のクロと出会うことができました。

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9月、11月、平戸島の海岸にいるというクロを探して岩場を進みましたが、悲しいキリシタン殉教の島「中江ノ島」が大きく見えるだけでした。「中江ノ島」は「隠れキリシタン」の聖地で、世界遺産候補地です。

※「平戸の聖地と集落」<春日集落と安満岳>平戸市及び「平戸の聖地と集落」<中江ノ島>平戸市は、2018年7月1日「長崎、天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成遺産として世界文化遺産に登録されました。※
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私の巡礼の年(平戸島編その1)(長崎キリシタン世界遺産)【アサギマダラ】 [長崎県]

クロツ●メシジミ(ここではクロとします。)に出会うため、今年は巡礼をしています。11月、長崎県の島々に出かけてきました。長崎の島々のクロは「海クロ」と呼ばれています。

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今回の巡礼も鉄道駅から出発です。子供の頃から鉄道と駅が大好きですが、べつに駅をつくる職業ではありません。たびら平戸口駅は日本で最も西に位置する駅で、証明書を発行してくれます。

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駅にヒラドオオカマキリが現れ、駅員さんが駆除していました。「大鎌にやられないようにね。」

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平戸大橋を渡って平戸島に行きました。橋の下の海峡は流れが早く、操船が大変そうです。

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夕暮れに平戸桟橋に到着しました。オランダ商館がライトアップされ、その景観が異国との歴史に思いをはせました。

05平戸城.jpg

司馬遼太郎が「街道を行く」で、日本で最も景観がすばらしいと書かれた平戸城もライトアップされていました。
どうか明日はよい天気でありますように……。

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願いはかなわず、朝から本降りの雨でした。
そこで、長崎の教会群とキリスト教関連遺産を構成する資産の一つ「平戸島の聖地と集落」として、ユネスコの世界遺産暫定リストに掲載されている平戸島最高峰の安満岳に登ることにしました。安満岳は前に挑戦して失敗したので、2度目の挑戦です。

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雨がひどいので、山頂まですぐの登山口に車で行きました。ヤマヤとしては下から登らないと納得できませんが、しかたありません。

08参道の鳥居.jpg

登山道をしばらく行くと白山神社の鳥居が現れました。

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鳥居からは石を積み重ねた参道を行きました。

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山頂にはプレハブの白山神社が鎮座していました。神社に今回の巡礼の無事をお願いしました。

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白山神社の脇を通って、安満岳の山頂に行ってきました。山頂には石の祠があって、そこは「安満岳の奥の院様」という隠れキリシタンの方々の聖地だそうです。数年後には世界遺産です。

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日頃の行いがよくないので、山頂は雨とガスで全く遠景が見えませんでしたが、一瞬、ガスが晴れ、生月島や春日地区の棚田が見えました。

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登山道にはドングリが大量に落ちていました。

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そして、冬の花、ヤブツバキも地上で花を咲かせていました。

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登山道には雨にもかかわらずヒラドヒメオサムシが路上をひょこひょこ歩いていました。

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いたるところにツワブキが花を咲かせていましたが、雨で昆虫がいるべくも無く。

17アサギマダラ.jpg

後日、たびら昆虫自然園で撮影したツワブキとアサギマダラを載せます。
このブログは昆虫観察記録日記ではございませんので、あしからず。

※「平戸の聖地と集落」<春日集落と安満岳>平戸市は2018年7月1日「長崎、天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成遺産として世界文化遺産に登録されました。※
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さらば、なみだ・・・【チャバネセセリ】 [長崎県]

今日で長崎のチョウはおわりです。
最終日が近づいても、長崎でナガサキアゲハに会っていません。

庭園.jpg

平戸島にあるチョウの公園と長崎県亜熱帯植物園。どっちがナガサキアゲハに・・・。
考えた末、長崎県亜熱帯植物園に賭けました。

サボテン.jpg

サボテンの花が咲いていました。
ボランティアの方が説明してくれましたが、種類は忘れました。
この日はご近所で「イセエビ祭り」が開かれ、イセエビが安く売られていました。
もちろんイセエビを堪能させていただいた次第。

迷蝶の標本.jpg

長崎県の野母半島には迷蝶が飛んでくるそうです。迷蝶も期待しましたが・・・

チャバネセセリ.jpg

長崎県亜熱帯植物園で、写真に撮れたのはこのチャバネセセリだけでした。

軍艦島.jpg

帰りの車窓、軍艦島が夕日に照らされている光景を見ました。
結局、長崎でナガサキアゲハを・・・は夢となりました。
夕日にむかって、「さらば、なみだ・・・」の歌が聞こえたような気がしました。
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ロマンの蒼い色【ムラサキシジミ】 [長崎県]

いつものことながら、お久しぶりです。まだ8月の話題ですみません。

野岳湖.jpg

長崎県大村市にある野岳湖は、捕鯨で財をなした儀大夫さんが社会貢献を目的に造りました。

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近くの県道沿いにはムラサキシジミが森の中を泳ぐようにいます。

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翅を広げると紫というより、義太夫さんの海の色。

ムラサキシジミ開翅2.jpg

長崎県といえば福〇雅治、美〇明宏、さ〇まさしとちょっと個性的?なロマンを感じる人たち。
魅惑的な青紫の雰囲気を感じます。

ムラサキシジミ産卵.jpg

ムラサキシジミが若芽に産卵していました。

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野岳湖からみた郡岳はクジラのよう?に見えてきました。
大村の食堂でクジラ料理を食べました。
懐かしい味です。そして少し剛毅な気分になりました。
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チョウの井戸端会議【キタキチョウ】 [長崎県]

そろそろ長崎のチョウも終わりです。

クズ.jpg

8月の終わりですから、クズの花がたくさん咲いていました。

静止.jpg

秋口にはたくさんのキタキチョウが飛び交います。

吸水1.jpg

キタキチョウが集まって、ヒソヒソ話をしているようです。一頭、小さいチョウがいますが、やはりキタキチョウのようです。

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キタキチョウの話がまとまったのでしょうか。同じ方向で動き出しました。
このように吸水をしているチョウの多くがオスだそうです。

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花の蜜を吸っていますが、吸水のときと違ってちょっと敏感です。

コマツナギ.jpg

キタキチョウはコマツナギの花が好きなようですが、写真に撮ろうとしたら逃げられました。
チョウの井戸端会議を見てて思ったのですが、チョウも人と同じように一頭一頭大小様々個性があるんだなぁと感じました。
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天下分け目の衣装変え【ダイミョウセセリ】 [長崎県]

まだ、8月の長崎県のチョウに付き合ってください。

猪見岳.jpg

猪見岳の山頂は草原です。そこに大きな石がゴロゴロと転がっていました。

サイヨウシャジン.jpg

九州ではごく普通に生えているサイヨウシャジンを発見。
漢字で書くと「細腰沙参」。字の如く、他のシャジンの仲間より花の形が細いからでしょうか。

サワヒヨドリ.jpg

秋の七草のフジバカマに近い種類のサワヒヨドリです。
漢字では「沢鵯」。鳥の名前が一般的とのことですが・・・
「沢火取」花がらが焚きつけによいからという説もあるそうです。(野草の名前(山渓社)より)

ヤマハハコ.jpg

ヤマハハコは漢字で書くと「山母子」字の如くならないのが不思議なところ。
名前の由来は諸説ぷんぷんだそうです。

ミヤコグサ.jpg

ミヤコグサの名前は京都からきているのでしょうか?(という説もあるらしい)。

ダイミョウ西日本2.jpg

ダイミョウセセリは関ヶ原付近で翅の模様が東と西とで分かれます。
長崎産のこのチョウは大名のカミシモ(翅模様)の袴(後翅)が、関西型で、
(便宜上、このように呼ばれています。)イチモンジチョウのように白斑がつながっています。

ダイミョウ東日本.jpg

このチョウは5月に高尾山で出会ったものです。
関東型(上記と同様)のカミシモの袴には、白斑がありません。

ダイミョウ東日本2.jpg

ダイミョウセセリは、常に翅を開いてとまるので、一見するとガのように見えますが、
この角度から見たら、カミシモを着たチョウの姿そのものですね。

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愛と死を見つめて【イシガケチョウ】 [長崎県]

今日は十三夜、お月見しました。でもブログ内容はいまだに8月の長崎の話です。

クサギの木.jpg

8月、長崎県のいたるところで、クサギの花が咲いていました。

クサギの花.jpg

人それぞれかもしれませんが、私は「よい香りだ。」と感じました。

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イシガケ(イシガキ)チョウです。このチョウは九州では普通に飛んでいますが、関東まで侵出していないようです。

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イシガケチョウの幼虫の食樹はイヌビワです。1頭のメスが盛んに産卵をしていました。

産卵2.jpg

若芽を選んで、そこに「ヨッコラショ。」って感じで、産卵をしていました。

捕まった.jpg

でも、別のところでは隠れていたカマキリに捕まってしまいました。
愛の結晶の卵を産み終わったチョウは、後は死ぬばかり。
自然にとっては、死して、なお役に立つってことか。
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ヒミツの花【クロセセリ】 [長崎県]

長崎県にある陸上自衛隊大野原演習場の最も高い所は猪見岳で、その山頂は大きな石と草原です。
前回、秘密基地としましたが、秘密にしたい花が咲いていました。

大野原.jpg

北面は一面の草原です。隊員と地元の方が毎年、火入れをして草原を維持しています。

大村湾.jpg

東面は豊饒の海、大村湾です。長崎空港が現代の出島のように浮かんでいます。

ノヒメユリと海.jpg

猪見岳山頂にはノヒメユリ(スゲユリ)がひっそり咲いていました。
ユリ大好き人間にとって九州の限られたところに咲くノヒメユリは、ぜひお目にかかりたい代表です。
限られたところにしか咲かないので、環境省の絶滅危惧種に指定されています。絶対盗掘しないでね。

ノヒメユリ横から.jpg

ユリの花の中では最も小さい花だそうです。山頂は強風が吹いていたので、カメラに収めるのが大変でした。

クロセセリ静止.jpg

猪見岳に行く途中の道端に関東人には見慣れないセセリチョウの仲間がいました。クロセセリです。

クロセセリ.jpg

クロセセリは長い間、九州のチョウでした。しかし地球温暖化の影響で北上、東進を始め、最近、関西方面に侵出したそうです。

クロセセリ開翅.jpg

クロセセリの幼虫の食草はミョウガだそうです。ミョウガは好物なので箱根山を越えないようにお祈りしないと。

タグ:クロセセリ
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ヒミツ基地に幻のチョウ【タッパンルリシジミ】 [長崎県]

いつものひとこと「お久しぶりです。」8月下旬、対馬から九州本土に戻って来ました。

長崎眼鏡橋.jpg

長崎市にある眼鏡橋です。長崎県でのチョウ観察はホントに楽しい時でした。

大野原演習場.jpg

長崎県は神奈川県のように基地の多い県でもあります。長崎県にある自衛隊の演習場はチョウ大好き人間あこがれの土地です。ここは日本各地にあった生息地から次々に絶滅(96%も)し、残るは山口県秋吉台などほんの数か所にしかいなくなった絶滅寸前のチョウの数少ない生息地です。そのチョウにはお会いすることはできなかったのですが(季節外れのため)、ぜひ姿を消す前にお目にかかりたいものです。なお、表題はヒミツですが、基地は秘密ではなく、演習がなければ誰でも入ることができます。こどもの秘密基地にあこがれてネーミング・・・スミマセーン。

オミナエシ.jpg

演習場は一面が草原なので、たくさんのオミナエシが風に揺れていました。

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草原の境目にある林の中にルリシジミの仲間がいました。神奈川県と違って九州はルリシジミに似たチョウがいます。(タッパンとか、ヤクシマとか、サツマとか。)タッパンルリシジミはその中の1種で長崎県の絶滅危惧ⅠB類(EN)です。でも本当に生息しているのか単なる迷蝶なのかよく分かっていないようです。いまだに謎のチョウです。林の中で暗かったので、ブレ写真しか撮れなかったのですが、失礼します。

タッパンルリシジミの仲間開翅.jpg

表の翅に白いところがある。これがタッパンルリシジミの目印らしいのですが、単に老齢やアクシデントで擦れて、白くなったのかもしれません。なので普通のルリシジミかもしれません。あしからず。(素人なので許してチョー)
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青い蝶、朱色の蝶、黒い蝶、白秋の蝶は・・・【ルリタテハ、アカタテハ、クロコノマチョウ】 [長崎県]

今回で対馬のチョウは終わります。
対馬にはタイワンモンシロチョウという固有種がいます。対馬の昆虫に詳しいyahboさんのHPによると、対馬のタイワンモンシロチョウは絶滅寸前の危機的状態とのこと。それじゃー絶対にタイワンモンシロチョウを見てみたいと思った次第です。

ニホンミツバチ.jpg

上対馬のいたるところに、このような木をくりぬいたようなニホンミツバチの養蜂箱がありました。でも多くの箱が空でした。おみやげに蜂蜜を買おうと思いましたが、対馬空港には置いてありませんでした。

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暗い森の中にはキツネノカミソリが咲いていました。そこだけチョっと明るい雰囲気です。

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ルリタテハがガードレールに張り付いていました。「交通ルールを守りましょう。飲んだら飛ぶな。」

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ルリタテハの幼虫の食草は、サルトリイバラです。ルリタテハがサルトリイバラの周りを飛んでいました。青い蝶です。

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アカタテハが飛んでいました。近くには幼虫の食草、アカソの仲間が生えていました。厳原にて

アカタテハ.jpg

朱色の蝶です。そう、夏の朱色、朱夏のチョウです。先ほどのルリタテハは青春のチョウ。

クロコノマチョウ.jpg

冬の黒い蝶はクロコノマチョウです。清水山にいました。玄冬のチョウです。いまごろから増えてきます。
それでは白秋の白い蝶、タイワンモンシロチョウは・・・・

キタテハ.jpg

見ることができませんでした。代わりのキタテハです。
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